フリーランスは収入が不安定で今の仕事を続けていると、老後がどのようになっているのか不安になるもの。
どんなフリーランスでもの不安を解消する方法を知りたいはずです。
そこで今回はフリーランスの老後に対する不安を減らすために、以下の内容をまとめてみました。
- 現在のフリーランスの年金について
- そのまま老後を迎えた場合の支出
- 老後の支出よりも多く年金額を増やす方法
- 年金以外でも老後の資金を増やす方法
フリーランスとして働いていて老後が気になる人や、これからフリーランスになろと考えている人も、参考にしてみてくださいね。
目次
フリーランスで年金対策していないと老後に生活ができない
まず老後が不安になってしまうのは、仕事を辞めた後の資金が、足りていないのではないか?という資金面を気にする人が多くいます。
今のようにフリーランスとしてバリバリ仕事を続けられるといいのですが、年を取れば無理ができなくなるため、どうしても年金の力が必要です。
ところがフリーランスになると、年金に対してあまり期待できない面もあるため、年金を支払わない人も増えています。
もちろん国民年金に関しては支払うのが義務なので節約できません。
- どれくらいの資金が必要なのか?
- フリーランスだと年金に期待しないほうがいいのか?
そこで上記のような内容を調べてみたので、不安になっている人は、かなり現実的に老後のお金の話について把握しておきましょう。
フリーランスに限らず老後の生活費はどのくらいかかる?
※表は横にスクロールできます
世代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 世帯人数 1.58人 3.06人 3.22人 2.77人 2.31人 1.88人 1ヶ月の支出 23万円 32万円 39万円 39万円 30万円 22万円 引用:厚生労働省より
まず老後になると、どれくらいの資金が必要になるのか、具体的な数値を調べてみました。上記の表は厚生労働省という国の機関に書かれていた内容です。
老後の支出に関する数値なので、生活費がいくらかかるか、イメージしやすくなります。
仕事をせずに年金だけで暮らしていけるのは、今のところ60代後半からなので、70代以上の支出を見てみてください。
毎月22万円最低でも必要となっているように、それなりの資金が残っていないと、苦しくなるのがわかるはずです。
- 22万円×12か月=264万円
- 264万円×20年=5,280万円
日本の平均寿命は男性が約82歳、女性だと87歳なので、その間をとって85歳までの資金を計算してみました。
すると単純計算で、5,000万円ほどが生活費で消えていくわけです。これに病院などに通うなど、急な支出が増えてくるので、そうなってくるとこれ以上の資金を準備しておいて損はありません。
国民年金で受け取れる年金は少ない
もちろん老後となると年金が受給されるようになりますが、フリーランスで仕事をしていると、国民年金に加入する必要があります。
ところがこの国民年金だと、現在は以下のように、少額な年金しかもらえません。
【67 歳以下の方の年金額の例】
平成 30 年度(月額)
国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分)
64,941 円
引用:厚生労働省より
これもひとつの例として挙げられているものなので、誤差があるかもしれんませんが、大まかな数値は間違いありません。
毎月60,000円ほどの年金で、上記の支出が必要になると、どう考えても生活ができなくなります。
そこで国民年金だけでなく、フリーランスでも厚生年金に加入できないか、考える人も少なくないはずです。
フリーランスは厚生年金に加入できない
国民年金ではなく、厚生年金に加入すると、上記の金額以上の年金が手に入ります。先ほどと同じ厚生労働省のサイトを見れば一目瞭然です。
【67 歳以下の方の年金額の例】
平成 30 年度(月額)
厚生年金
(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)
221,277 円
引用:厚生労働省より
老後に必要な毎月の支払いと、同じくらいの収入が確保できるので安心です。ところがフリーランスだと厚生年金に加入できるのか言えば、基本的には加入できません。
【以下引用文】
厚生年金保険に加入している会社、工場、商店、船舶などの適用事業所に常時使用される70歳未満の方は、国籍や性別、年金の受給の有無にかかわらず、厚生年金保険の被保険者となります。
引用:日本年金機構より
厚生年金に加入するにはどこかの法人に所属する必要があるため、フリーランスのような個人で仕事をしている人は、加入条件に当てはまりません。
つまり年金に関しては国民年金しか、頼ることができないため、フリーランスが老後を不安だと思っているわけです。
そうなってくると今ある資金をどれだけ残しておくか、対策を練っておく必要があります。
30代・40代でフリーランスを目指しても老後は大丈夫!
資金を増やすためにはフリーランスとして、たくさん仕事をもらわないといけません。
ちなみにフリーランスに限らず、サラリーマンであっても老後の不安を感じる人が多く、副業ブームも起きています。
そればかりか30代以降になっても、フリーランスを目指している人が多くなっているのが現状です。
このような年齢的に遅いと感じる人達でも、フリーランスとして成り立つのかといえば、結論を先に言うと特に気にする必要はありません。
- 仕事がなくならない仕組みづくりをしておく
- フリーランスになる前に年金の準備をしておく
上記のような仕組みを作ってからフリーランスになれば、年齢に関係なく老後は安心です。以下でもっと詳しく紹介しますね。
会社員のように継続的な受注を確保
まずフリーランスとサラリーマンの大きな違いは、収入の柱が全然違うところです。サラリーマンとは会社に属しているため、給料がもらえます。
ところがフリーランスになると、すべて自分で仕事をもらってこないと収入が安定しません。
それがデメリットであり、老後を不安にさせている理由のひとつとなっているわけです。
そこで克服するためには、以下のポイントを抑えておきましょう。
- 仕事をもらえる取引先を増やす
- 定期的に仕事が貰える取引先を探す
この2点を意識して営業を続けるだけでも、フリーランスだったとしても安定します。
これを続けているだけでサラリーマンと違い、体の続く限り報酬が増えていくので、老後の資金も貯めるのは可能です。
年金などの老後の準備を整えてからフリーランスになる
30代以降に限らず老後に対する不安は、仕事を辞めた時に収入がなくなってしまうこと。これさえなくなればストレスなく老後の生活が続けられます。
そのためには今のうちから、年金以外の収入を増やしていきましょう。それにはいくつか種類があり、自分の合ったものを試すのがおすすめです。
- 株式投資
- 不動産投資
- 投資信託
- インターネットを使った不労所得
などいわゆる不労所得といわれるものを、今のうちに作りだしておくと、働かなくなった後でも収入が減らなくなります。
もちろん中には完全に不労所得にならない種類もありますが、老後の不安を少しでも減らすのにちょうどいい方法です。
自信がないのなら会社員のままのほうがいい場合もある
上記のように準備してから、フリーランスになったとしても、中にはうまくいかない人もいます。
その場合は潔くサラリーマンに戻るのも、老後の生活を安定させるポイントです。
- 厚生年金に再び加入できる
- スキルアップして給与の高い会社に転職できる
上記のようなメリットもたくさんあるので、うまくサラリーマンとフリーランスを使いわけて、生活している人も中にはいます。
老後の生活のためなら、フリーランスに無理にしがみつく必要もありません。とはいっても年金制度そのものを不安に思っている人が多いので、以下の内容も見てみましょう。
公的年金制度についてフリーランスは知っておくべき!
フリーランスになって老後が不安に感じている人は、年金に対する不安がほとんどです。そもそも以下のような不満を持っている人も中にはいます。
「払った保険料に見合う年金がもらえない」という不信のほか、会社員の厚生年金や公務員などの共済年金との格差に不満を感じているケースもあるようです。
引用:asahi.com : マネー | 朝日新聞より
このような不満は年金制度についてもっと深く知れば、少なくなり、老後に対しても不安も抑えられますよ。
今のフリーランスには公的年金が少ない仕組みになっている
そもそも上記のような不満がある人は、今の年金制度の1番下である、国民年金しか加入できないと知っているからです。
- 国民年金
- 厚生年金
- 企業年金
公的年金といわれるのは、上記の1と2の部分である「国民年金」と「厚生年金」です。
また法人が余分に年金として加入できる企業年金も年金制度のひとつで、これら3つを合わせて今の日本の年金制度なっています。
フリーランスは1番だけである国民年金しか、加入できないため、不満が溜まっている人が増えているわけです。
年金制度が崩壊していて若い人の老後は不安要素が多い
フリーランスが加入できる国民年金は、基礎年金といわれており、国民すべて支払わなければいけません。
ところが支払う義務である国民年金は、徐々にもらえる金額が下がっています。
もともと若い人が支払った金額が、年金として扱われます。つまり少子高齢化が進むと、自然と年金額が下がっていき、最終的にはもらえなくなるのは当たり前です。
公的年金制度は、いま働いている世代(現役世代)が支払った保険料を仕送りのように高齢者などの年金給付に充てるという「世代と世代の支え合い」という考え方(これを賦課方式といいます)を基本とした財政方式で運営されています。
引用:厚生労働省より
フリーランスは国民年金しか加入できないわけですから、最初にこのダメージを受けるのがフリーランスです。
だからこそ不安がおさまらず、フリーランスになるのを躊躇している人も多くいます。
基礎年金制度に上乗せができる制度あり!
たしかにフリーランスは年金対策をするのに、サラリーマンより苦労してしまいます。ところがうまく制度を使えばその不安が少なくできるんですよ!
以下のようにフリーランス時代に貯めたお金に加えて、年金からの収入もゲットできます。
- 年金対策による収入
- 不労所得による収入
収入源が増えるだけでも、フリーランスとしても心強くなり、老後の不安もかなり少なくなります。
ではどのように年金対策をすればいいのか、具体的にチェックしていきましょう。
フリーランスでも年金を増やせられる!
フリーランスは基本的にもらえる年金は、国民年金のみでした。受給される金額はかなり低いので、フリーランスなら誰でも不安になるのは当たり前です。
ところが以下の年金がもらえる方法が用意されていました。
- 付加年金制度
- 国民年金基金
- 確定拠出年金
あまり効き慣れない年金や制度ですが、どのように、もらえるのか具体的に見てみましょう。
付加年金制度
国民年金しか加入できないフリーランスが、年金を増やすためには、厚生年金以外のものを上乗せさせられる制度を利用するしかありません。
その条件にピッタリの制度が付加年金制度です。
第1号被保険者・任意加入被保険者が定額保険料に付加保険料(月額400円)をプラスして納付すると、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。
引用:日本年金機構
なんと月額400円を国民年金の支払いに追加し、市役所に申し込みをするだけで、加入できてしまいます。
忙しいフリーランスでも、気軽に加入できてちょうどいいですね。ちなみに受け取れる金額は、「200円×付加保険料納付月数」となります。
国民年金基金
フリーランスのような人のために作られたものが、国民年金基金です。掛け金を自由に変えられるようになっており、1口を基準にコントロールできます。
つまり収入に応じて支払い額を減らすこともできるので、収入が不安定といわれるフリーランスに都合がいいわけです。ところがデメリットもあるので、把握してから加入しましょう。
国民年金基金への加入は任意ですが、いったんご加入いただいた場合、ご自分の都合で任意に脱退及び中途解約することはできません。
引用:厚生労働省より
加入したら解約ができないため、よく検討してくださいね。加入後に支払いが苦しくなってきたら、支払いの金額を最低にするようにしましょう。
確定拠出年金
確定拠出年金は言い方を変えると、「iDeCo」といわれいます。
こちらの国民年金でも上乗せができる制度。2017年に法律が改正されて、幅広い人が加入できるようになりました。
ところが以下の人は加入できないので、注意しておきましょう。
農業者年金の被保険者の方
国民年金の保険料を免除されている方を除く
企業型年金加入者においては、企業年金規約において個人型年金への加入が認められている方に限る
引用:厚生労働省より
農業者年金に加入していない状態で、国民年金を支払っていれば、誰でも加入できます。
また企業型年金に加入していないのも条件なので、自分がどのような状況か把握しておきましょう。
節税で支払う金額を節約して老後に回そう
年金が支払えるようになると、フリーランスとして働いた収入から、差し引かれることとなります。
上記の方法を参考に老後対策を進めていくと、プライベートで使えるお金が少なくなるはずです。
そこで支払うべき税金をなるべく減らすようにすると、支出が減らせられる分、老後の資金もその分多く貯められます。
またそれ以外にも以下のようなメリットがあるので、積極的に無駄な出費を抑えましょう。
- スキルアップのための投資ができる
- ストレス解消がしやすくなる
ストレスが溜まってしまうと、病気になりやすいため、どうしても仕事量が減ってしまいます。
つまり老後のための資金も溜められなくなるので、ストレス解消はフリーランスとして重要です。
またスキルアップができれば、収入を上げられます。フリーランスだからこそできるので、余ったお金はうまく自分に投資してみてくださいね。