「フリーランスは賃貸審査に通りにくいのだろうか」
「フリーランスが賃貸物件を借りるときに気をつけるべき点はどこだろう?」
このようなお悩みを抱えている、フリーランス志望の方も多いのではないでしょうか。
フリーランスは、会社員や公務員に比べて賃貸物件の審査が通りにくいため、気をつけるべき点がいくつか存在します。
この記事では、フリーランスが賃貸の審査を通過しやすくなる方法だけでなく、家賃を経費に計上する方法やルールについて詳しく解説していきます。
読んでいただくことで、フリーランスでも賃貸物件の審査が通過しやすくなるため、ぜひご一読ください。
目次
フリーランスは賃貸物件の審査に通過しづらい
フリーランスが会社員や公務員に比べて、賃貸物件の審査に通過しづらい理由には何があるのでしょうか?
ここでは、賃貸物件の審査が行われる理由や、フリーランスが賃貸の審査に通過しづらい理由について解説していきます。
賃貸物件の審査が行われる理由
賃貸物件を借りる時に審査が行われる理由は、家賃を払っていけるかどうかを確認するため。
家賃の支払いは毎月発生するため、物件を借りる人が経済的に安定しており、家賃を滞納されるリスクがないか確認されるのです。
そのため、会社員や公務員など収入が安定している人ほど家賃の支払いが滞る可能性が低いと判断されて、賃貸物件の審査に通過しやすくなるのです。
フリーランスが賃貸審査に通過しづらい理由
フリーランスが賃貸物件の審査に通過しづらい理由は、主に以下の2つが挙げられます。
- 収入が安定していない
- 社会的信用が低い
なぜ、フリーランスがこのように捉えられるのでしょうか?
理由を確認してみましょう。
収入が安定していない
フリーランスは会社員のように定額の給与がありません。
自分の力量や状況次第で、売り上げが大きく変わります。
また、フリーランスは企業に雇用されているわけではないため、場合によって急に仕事がなくなって収入がなくなるリスクが高いと判断されます。
以上の点から、フリーランスは会社員や公務員に比べて、収入が安定していないと判断をされるのです
社会的信用が低い
働き方が多様化された現代において、フリーランスを選択されている方も増えています。
しかし、世間一般的にはまだ認知度が低い職業です。
人によっては、フリーランスという仕事に以下のようなイメージを持っている人もいます。
- 会社に雇ってもらえてなかった人がなる職業
- フリーターと同じ
このように、フリーランスは仕事ができない人がやる職業というイメージがあるため、社会的信用が低くなるのです。
フリーランスが賃貸の審査を通過しやすくする方法3選
フリーランスでも、賃貸物件の入居審査に通過しやすくなる方法はいくつか存在します。
具体的には以下の3つです。
- 収入や資産を証明する書類を提出する
- 保証会社を利用する
- 審査に通過しやすい家賃の目安を知る
それぞれについて、解説していきます。
収入や資産を証明する書類を提出する
フリーランスが賃貸物件の審査を通過するためには、収入や資産を所有しており家賃をしっかり払っていけることの証明が何よりも大事です。
ここでは、収入や資産を証明する書類にどのようなものがあるのかについて解説します。
具体的には以下の5つです。
- 確定申告書
- 支払調書
- 納税証明書
- 口座の残高証明書
- 入金履歴がわかる通帳のコピー
それぞれがどのような書類で、どのように入手するのか確認していきましょう。
確定申告書
確定申告書とは、フリーランスが確定申告をする際に提出する書類のことです。
フリーランスは、年間の売上と必要経費、所得税の金額を計算し確定申告しなければなりません。
そのため、確定申告書には年間の収入だけでなく実際に納めた所得税の金額も記載されており、収入を証明する書類として利用できるのです。
e-Taxを使って電子申請をした場合は、電子納税証明書を確定申告書の代わりに賃貸物件の審査に利用できます。
ただし、フリーランスになって間もなく、まだ確定申告をしていない場合は、他の方法で収入があることを証明しなければなりません。
支払調書
支払調書とは、法人や個人がフリーランスなどの個人事業主に報酬を払った場合に、税務署に提出しなければならない法定調書のことです。
会社員が勤務先から年末に受け取る「源泉徴収票」と同じような書類だと考えると分かりやすいでしょう。
支払調書には、支払われた報酬の金額が記載されているため、収入を証明する書類として利用できるのです。
支払調書は、取引先のクライアントから発行してもらえます。
しかし、源泉徴収票と異なって、報酬を支払った人に対して発行する義務はありません。
入手するためには、取引先の企業に依頼し発行してもらう必要があります。
納税証明書
納税証明書とは、所得税や住民税等を実際に収めたことを証明する書類のことです。
所得税や住民税は、年間の収入から必要経費を引いた所得に対して課税されます。
つまり、所得税や住民税を納税したことを証明する書類は、収入があったことを証明する書類になるのです。
納税証明書は、お住まいの市役所で発行してもらうことができます。
口座の残高証明書
口座の残高証明書とは、自分の口座にいくら残っているのかを預け先の銀行が証明してくれる書類のことです。
口座の残高証明書を賃貸審査時に提出することによって、資産の状況を証明することができ、賃貸物件が借りやすくなります。
入金履歴がわかる通帳のコピー
賃貸審査時に、所有している銀行口座の入金履歴がわかる通帳のコピーを提出することで、収入を証明することも可能です。
銀行の通帳には、クライアントからの報酬の金額と、取引先の法人や個人の名前が記載されています。
そのため、入出金のわかる通帳のコピーを提出することによって、クライアントから報酬を得ていることが証明できるのです。
保証会社を利用する
現在、賃貸物件を借りる際は保証人が必要ではなく、代わりに保証会社と契約を結ぶ事例が増えてきています。
保証会社に依頼する事で、仮に家賃が支払えなくなった場合には、保証会社が家賃を肩代わりしてくれるのです。
しかし、保証会社の必ず契約できるとは限りません。
引き受けてもらうには、以下の3点が問題ないことが前提です。
- クレジットカードの滞納状況
- 他の借り入れ状況
- 家賃の滞納
このように、保証会社と契約を結ぶ時は個人の信用が確認されます。
保証会社も、ボランティアをしているわけではありません。
肩代わりしてもらった家賃は、保証会社が返済しなければならないため、過去に返済を滞納した履歴があるような信用が低い人は、保証を引き受けてもらえないのです。
審査に通過しやすい家賃の目安を知る
審査に通過しやすい家賃は、収入の20%〜25%といわれています。
収入に対して、あまりにも家賃が高すぎると、賃貸物件の審査に落ちてしまう可能性が高まるため注意が必要です。
家賃の一部を経費で落とせるからとって、高額な家賃の物件は借りないようにしましょう。
フリーランスが賃貸の審査に落ちやすくなるケース
収入や資産を証明する書類を提出しても、賃貸物件に必ず通過するとは限りません。
ここでは、フリーランスが賃貸の審査に落ちやすくなるケースについて解説していきます。
具体的には以下の3点です。
- フリーランスになってから年数が浅い
- 見た目に清潔感がない
- 経費を多く計上し所得が低い
以上の点がが、どのように賃貸の審査に影響するのか確認していきましょう。
フリーランスになってから年数が浅い
フリーランスになってからの年数が浅いと、賃貸物件の審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
フリーランスなど自営業は、開業から1年以内に廃業となるケースも珍しくありません。
反対に、フリーランスとしての活動年数が長ければ「この人はきちんと稼いでいける人だ」信用が得られて、賃貸物件の通過する可能性も高まります。
経費を多く計上し所得が低い
フリーランスは、経費を計上することで所得税や住民税を節税できます。
しかし、所得の金額が低くなるために賃貸物件の審査に通過しづらくなるのです。
フリーランスの場合は、審査のときに売上や収入よりも所得の金額を確認されます。
収入があってもそのほとんどが経費だと、事業を経営するので背一杯で、家賃を滞納されるリスクが高いと判断されるためです。
見た目に清潔感がない
フリーランスの見た目に清潔感がないと、賃貸物件の審査に落ちやすくなる可能性があるため注意が必要です。
賃貸物件を借りに不動産会社を訪れたときには、借りる人の外見もチェックされています。
外見に清潔感がないと「この人は本当に稼いでいるのだろうか」という疑念を抱かれて、審査に落ちてしまう確率が高まるのです。
フリーランスは賃貸物件を事務所にすると経費に計上できる
フリーランスの中には、自宅を事務所として利用している人や利用する予定の人もいらっしゃるでしょう。
自宅を事務所として利用している場合は、家賃の1部を経費として計上することが可能です。
経費の金額が増えると課税の対象となる所得の金額が減って、所得税や住民税の金額を抑えることができます。
ここでは、家賃を経費に計上する上でのルールや注意点について解説していきます。
計上できるのは仕事で利用した分だけ
フリーランスが経費として計上できるのは、家賃の1部だけです。
家賃の全額は、計上できないため注意しましょう。
計上する金額を計算する方法は、以下の2点があります。
- 間取りで計算する方法
- 時間で計算する方法
間取りで計算をする場合は、自宅のうち仕事で利用している部屋の面積をもとに、経費にする家賃を算出します。
例えば、家賃10万円の自宅のうち30%を仕事で利用している場合は、3万円を経費に計上が可能です。
時間で計算する場合は、仕事をしていた時間をもとに計算。
仮に、家賃10万円の自宅で1ヶ月のうち1日平均で6時間を仕事に充てていた場合、経費にできる家賃の金額は、10万円×(6時間/24時間)=2.5万円となります。
他に経費で計上できるもの
フリーランスが経費として計上できるのは家賃だけではありません。
電気代や水道代などの光熱費、インターネット料金等の通信費も経費として計上できます。
ただし、家賃と同じく費用の全額を計上することはできません。
1ヵ月のうち仕事で利用している時間を按分することで、経費として計上できる金額を計算できます。
例えば、1ヵ月で平均8時間仕事をしている場合、1ヶ月で発生した光熱費や通信料金の3分の1を経費に計上が可能です。
まとめ
フリーランスは、会社員に比べて賃貸物件の審査を通過しづらいため、きちんと収入を得ていることを証明しなければなりません。
また、フリーランスとしての活動年数が少なかったり、経費を計上して所得が低かったりした場合は、賃貸審査に落ちてしまう可能性が高まります。
今回ご紹介した賃貸審査に通過しやすくなる方法を1つでも多く実践し注意点に気をつけることで、フリーランスでも賃貸物件の審査に通過しやすくなるでしょう。