動画を楽しんだり仕事で大きなデータを扱ったりなど、今や私たちの暮らしにとってWiFiは無くてはならないものとなりました。
そんなWiFiの電波を飛ばす重要な役割を果たすのがWiFiルーターです。
しかし、WiFiルーターの寿命がどれくらいかご存じの方は少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、WiFiルーターの寿命や、故障が考えられる時の症状について解説します。
この記事を読んで、ぜひWiFiルーターの買い替えや契約サービスの乗り換えなどを検討すべきタイミングを適切に見極められるようになりましょう。
目次
1.Wi-Fiルーターの寿命は、2年~6年ほど
結論から言えば、WiFiルーターの寿命は2年~6年ほどが一般的です。
ここでは、Wi-Fiルーターの寿命を決めるポイントを以下の3つに分けて解説します
- 機器の寿命
- 通信規格の寿命
- セキュリティーの寿命
ポイント1.機器の寿命は、一般的に4年~5年
機器の寿命はおおよそ4年~5年ほどです。
なぜかというと、近年はパソコンのみならずスマホやプリンター、テレビ、エアコン、自動掃除機など、さまざまな機器をWiFiに常時接続することが増えたことでWiFiルーターに大きな負担をかけているからです。
機器本体にトラブルが無ければ5年以上使用し続けることが可能ですが、常時接続する機器が増えると、WiFiルーターへの負担が増して機器の寿命が短くなる恐れがあるんです。
実際に口コミなどを見ても4〜5年程度で買い替えや契約サービスを乗り換える方が多いようですので、4〜5年程度が機器の寿命の目安と覚えておくと良いでしょう。
ポイント2.通信規格の寿命は、おおよそ2~6年ほど
通信規格はおおよそ2年~6年で新しくなるため、通信規格も寿命の目安の1つとして考えて良いでしょう。
というのも、通信速度は規格によって大きく異なるため、古い機器を使用しているとデータの送受信やサイトの閲覧に支障があるためです。
機器が壊れていない場合でも、中々繋がらなかったりすれば買い替えや契約サービスを乗り換えることを検討する必要があるでしょう。
ちなみに、現在家庭用に普及しているWiFiルーターで使用されている通信規格は「11a」「11b」「11g」「11n」「11ac」「11ax」となっています。
それぞれの最大通信速度などの特徴を、以下の表にまとめました。
規格 | 周波数帯 | 最大通信速度 |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4GHz/5GHz | 660Mbps |
IEEE802.11ac | 5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax | 5GHz | 9.6Gbps |
下に行くにつれて、速度が速くなっているのがわかりますね。
近年は、機器の同時接続が増えているとともに、動画や音声データなどを再生する機会も増えてきました。
快適にインターネットを使うために比較的新しい通信規格を利用しなければならないことを考えれば、WiFiルーターの寿命は2~6年といえるでしょう。
ポイント3.セキュリティーの寿命は、2~5年ほど
WiFiルーターの通信は暗号化して行われますが、その暗号方式が新しいものになるのが2~5年ほどとなっており、これがセキュリティーの寿命の目安として考えられます。
ちなみに、暗号化の規格は以下のようになっています。
- WEP方式
- TKIP方式
- AES方式
下に行くにつれて暗号化が解析されづらくなっており、セキュリティ性が高くなっています。
中でもWEP方式はセキュリティ強度が低く、暗号化解析ソフトなどによって解析されてしまったというケースも。
古いセキュリティー規格でブラウザにクレジットカードの情報を記憶させていたり、ネットバンキングを利用していたりすると、情報が盗まれて不正利用される危険性があります。
そのため、個人情報を守るためにもWiFiルーターを新しい規格のものに替えるのがおすすめです。
2.Wi-Fiルーターの寿命症状
WiFiルーターを使用していて、次のような症状が出たら寿命が近づいている可能性が高いです。
- 通信が頻繁に途切れる、繋がりにくい
- 通信速度が非常に遅い
それぞれ順番に解説していきます。
症状1.通信が頻繁に途切れる、繋がりにくい
寿命症状のうち最もポピュラーなのが、頻繁に通信が途切れたり繋がりくくなったりするケースです。
インターネットに接続しようとしても「インターネットに接続されていません」などの表示が出て繋がりにくくなる場合は、WiFiルーターの寿命が原因の可能性があります。
症状2.通信速度が非常に遅い
通信速度が非常に遅い状態となる原因はいくつかありますが、その一つにWiFiルーターの寿命が考えられます。
先ほどお伝えしましたが、機器の寿命の目安は4〜5年ほどです。
長く使っているほど、機器の寿命である可能性が高いと考えるべきでしょう。
また「寿命の可能性があることはわかったけど、寿命と判断するにはどうしたらいいの?」と思う人も多いでしょう。
そこで、次は寿命と判断するためのポイントをご紹介するのでチェックしてみてください。
3.寿命と判断する前に試してほしい5つの対処法
WiFi接続が頻繁に途切れたり速度が異常に遅くなったら、WiFiルーターの寿命を疑うべきです。
しかし、ルーターの買い替えや契約サービスの乗り換えに踏み切る前に、ぜひ試してほしい方法が5つあります。
- ルーターを再起動してみる
- Wi-Fiルーターのドライバーを再インストールしてみる
- Wi-Fiルーターのソフトウェアを更新してみる
- モデムに不具合がないか確認してみる
- 常時接続している子機を減らしてみる
それぞれ上から順番に試してみてください。
対処法1.ルーターを再起動してみる
ルーターやパソコンなどの精密機器の一時的な不具合は再起動することで改善することが多いです。
電源を切って数分経ったら、電源を再度入れてみましょう。
再起動してみても改善されない時は、次の対処法を試してみてください。
対処法2.Wi-Fiルーターのドライバーを再インストールしてみる
パソコンやスマートフォンと同様に、WiFiルーターにもドライバーがインストールされています。
このドライバーを再インストールすることで通信状況が改善する可能性があるのです。
再インストールは、ネットワークドライバーを削除してから行うと不具合が起きません。
具体的な方法や不具合を起こさないためのやり方は、購入したWiFiルーターの説明書に記載されているので、参照しながら操作を行いましょう。
それでも改善しないときには、次にご紹介するソフトウェアの更新を試してみてください。
対処法3.Wi-Fiルーターのソフトウェアを更新する
最新のファームウェアにアップデートすることで、WiFiルーターの不具合が改善される可能性があります。
製品や販売会社によってやり方は異なりますので、説明書やサービスのホームページ等を参照しながら最新版をインストールしましょう。
ソフトウェアを最新版に更新しても上手く動作しないときには、次の対処法を試してみてください。
対処法4.モデムに不具合がないか確認してみる
WiFiルーターではなく、モデムの不具合が原因となっている場合があります。
LANケーブルを直接パソコンなどの端末に接続してみて、正常に通信ができるならモデムに不具合はないと考えられます。
一方で、正常に通信ができない時はモデムや通信回線の方に不具合が起こっているといえるでしょう。
不具合の原因がモデムにある場合は、モデムを再起動するか、プロバイダに連絡すればすぐに交換などの対応をしてくれます。
ルーターの再起動などを試しても改善されない場合は、まずLANケーブルを端末に接続して原因を特定してみるのがおすすめです。
対処法5.常時接続している子機を減らしてみる
パソコンやスマホ、タブレットなど、複数の機器でWiFiに接続している場合は、WiFiルーターに大きな負担がかかっている恐れがあります。
すべての接続を切ってみて、一台の端末だけでWiFiに接続してみましょう。
スムーズに通信が行える場合は、同時接続数の多さが原因でWiFiが快適に利用できなかったものと考えられます。
逆に正常に通信できなかった場合は、ルーターの寿命の可能性が高いです。
1台の端末でうまく通信できた場合は、今度は2台を接続して動画視聴やサイト閲覧を試してみましょう。
2台だと接続が途切れたり回線速度が遅くなったりするという場合には、やはりルーターの寿命の可能性が高いです。
また、WiFiルーターの同時接続可能数以上に接続しようとしている場合は、寿命ではなくスペックの問題で通信が不安定になります。
同時接続可能数以上の端末を接続したい場合は、接続可能数が多く通信規格も新しいWiFiルーターに替えることで安定してWiFiを利用できるようになるはずです。
【番外編】故障と判断したら、修理に出すことも検討すべき
これまでにご紹介したいずれの対処法を試しても改善されない場合は、修理に出すのがよいでしょう。
修理に出す方法は製品やサービス会社によって異なるので、ホームページなどを確認するか、お問い合わせ窓口に問い合わせてみると良いでしょう。
下記に代表的な4社の修理お問い合わせ先を記載しますので参考にしてみてください。
お問い合わせ電話番号 | |
WiMAX | 0120-929-818 |
Softbank | 0800-919-0157 |
Y!mobile | 0800-919-0151 |
docomo | 0120−800−000 |
4.寿命でなくても、通信速度で買い替えなどを検討した方がいい場合も
規格の違いで通信速度が大きく変わるため、機器が寿命でなくても買い替えや契約サービスの乗り換えを検討した方が良い場合もあります。
具体的には、以下の4つのタイミングが考えられます。
- Wi-Fiにつなぐ機器が増えた
- ネット回線でよく動画を観るようになった
- ネット回線を最新の高速プランに変更した
- スマホやタブレットなど、機器を最新のものに買い替えた
それぞれ詳しく見ていきましょう。
タイミング1.Wi-Fiに繋ぐ機器が増えた
近年は、スマホやタブレット、パソコン、テレビなどのデジタル機器、ゲーム機など、WiFiに繋がる機器が増えています。
WiFiルーターの仕組みは、対応する企画やアンテナの数によってデータ通信の転送速度に上限があり、その範囲内で繋がっているWiFi機器に通信量を分配するというものです。
そのため、WiFiに繋ぐ機器が増えると、1台当たりの分配が少なくなり、通信速度が遅くなってしまいます。
WiFiに繋ぐ機器が増えたら、それに合わせてWiFiルーターも替えた方が良いでしょう。
タイミング2.ネット回線でよく動画を観るようになった
YouTubeなどの動画サイトや、NetflixやAmazonプライムビデオをはじめとしたビデオオンデマンドサービスの利用が増えています。
WiFiでHD画質の高画質な動画を楽しむには、高速なWiFi回線が必要です。
動画を視聴していて、再生中に途中で止まったり、画質が悪くていまいち楽しめなかったりといった症状がある場合には、WiFiルーターを新しい機器に替えることをおすすめします。
タイミング3.インターネット回線を最新の高速プランに変更した
インターネット回線を高速プランに変更したのにWiFiが速くならない、というケースがあります。
これは、高速なインターネット回線に対してWiFiルーターの性能が間に合っていないために起こる現象です。
転送速度の上限が高いルーターに替えれば、高速なインターネット回線を活かした通信速度が利用できるようになります。
タイミング4.スマホやタブレットなど、機器を最新のものに替えた
iPhoneやiPad、またはAndroidスマートフォン・タブレットを最新の機器に替えた際は、WiFiルーターの買い替えや契約サービスの乗り換え時です。
最新のスマホやタブレットは、最新のWiFi規格に対応しているため、2~3年前と比べてWiFi接続時の通信速度が格段に速くなっています。
しかし、WiFiルーターがその規格に対応していないと、本来の最新のスマートフォンやタブレットはその性能を発揮できません。
最新機器の性能を活かすためにも、iPhoneやAndroidを購入した際はWiFiルーターの買い替えなども検討してみましょう。
タイミング5.外出先でもWi-Fiを使いたい
外出先でもWiFiを使いたいという人にはモバイルルーターも選択肢の一つとなります。
モバイルルーターであれば、外へもWiFi環境を持ち歩けるので出張などでも重宝するでしょう。
家でもそのまま接続すれば使えるので、持ち運びも考えるならモバイルルーターの購入も考えてみてください。
おすすめのモバイルWi-Fiルーターサービス
特徴 | |
【FUJI WiFi】 | ・プランが豊富で自分に合ったプランがを選ぶことができる。 ・契約の縛りがないため解約金がかからない。 |
【リチャージWiFi】 | ・完全買い切り型のため契約やモバイルWi-Fiルーターの返却が不要。 ・データ通信量が足りない時は必要な分だけ追加購入できる。 |
【Wifiレンタルどっとこむ】 | ・1日からレンタル可能のため短期間利用したい人におすすめ。 ・自分に合ったデータ通信容量や回線キャリアを選ぶことができる。 |
【GMOとくとくBB】 | ・知名度抜群のGMOインターネット株式会社が運営するサービス。 ・ キャッシュバックキャンペーンなども行っているため費用を抑えたい人におすすめ。 |
【DTI WiMAX2+】 | ・最新のWiMAX +5G対応のため通信速度を重視する人におすすめ。 ・月間のデータ通信量が無制限のため使い放題。 |
まとめ
WiFiルーターの寿命はおおよそ4年~6年ほどが一般的ですが、速度が遅くなることで買い替えや契約サービスの乗り換えを検討すべき場合もあります。
快適にWiFiが使えないと困る場面は多いものです。
ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にして、WiFiルーターの替え時をしっかり見極め、暮らしに合ったWiFiルーターを選んでください。
そして、快適にWiFiを利用しましょうね。