「『格安SIM』という言葉を最近耳にするんだけど、正直よく分からない」という方。
以下のような疑問をお持ちではないですか?
- 格安SIMってどんな仕組み?
- 格安SIMを利用すると何が良いの?
- 格安SIMにはデメリットもあるの?
- おすすめの格安SIMは?
そこで本記事では、格安SIMの仕組みからおすすめの格安SIMまで、0から分かるように徹底解説していきます。
結論から申し上げると、格安SIMとはSIMカードを使ったネットサービスです。
格安SIM独特の仕組みのため料金がリーズナブルで、携帯キャリアプランの3分の1程度の料金で利用できます。
本記事を最後まで読めば、格安SIMの基本から失敗しない格安SIM選びのポイントまで知ることができますよ。
さっそくみていきましょう。
目次
格安SIMとは?はじめに知っておきたい基礎知識
ここでは格安SIMの基礎知識についてご紹介します。
格安SIMとはSIMカードを利用したネットサービス
格安SIMとは「SIMカード」と呼ばれるICカードを利用し、低価格でインターネットや通話ができるサービスのこと。
SIMカードの「SIM」は「Subscriber Identity Module」の頭文字で、SIMカードは3GやLTEなどのモバイル回線を使うためのICカードを指します。
簡単な仕組みとしては、格安SIMは通信を携帯電話会社から借りることで低価格でユーザーに提供しています。
MNO/MVNE/MVNOとは
格安SIMの仕組みを理解するには
- MNO
- MVNE
- MVNO
という3つの柱を知る必要があります。
それぞれの役割は以下の通り。
名称 | 役割 |
MNO | 移動体通信事業者 au、docomo、ソフトバンクのこと(*) |
MVNE | 仮想移動体サービス提供者 MVNOとMNOを仲介する提供者のこと |
MVNO | 仮想移動体通信事業者 MNOから通信を借りて格安SIMを提供する事業者のこと |
*2020年から始まる5Gの導入に伴い、楽天モバイルも第4のMNOとなります。
簡単に申し上げると、MNO(au、docomo、ソフトバンク)から通信を借りて格安SIMを顧客にサービスを提供しているのがMVNO(FUJI WifiやY!mobileなど)。
MNOとMVNOを仲介しているのがMVNE(OCNやSo-netなど)です。
図にすると下記のようになります。 つまり格安SIMで利用する回線は「au、docomo、ソフトバンク」のどれか(または組み合わせ)ということになります。
格安SIMは回線を借りているだけでなく、実店舗を持たないところも多いためコストを抑えて格安でユーザーにサービスを提供することができるというわけです。
格安SIMはデータ専用SIMと音声専用SIMがある
格安SIMには
- 音声通話SIM
- データ専用SIM
という2種類があります。
音声通話SIMは電話とデータ通信のどちらもできるプラン。
データ通信だけでなく「090」「080」「070」で始まる携帯電話番号を持つことができます。
MNP(ナンバーポータビリティ)というサービスを使えば、キャリア携帯で使っていた電話番号を引き継ぐことも可能です。
一方、データ専用SIMはデータ通信のみが使えるプラン。
データSIMはインターネットが利用できるデータ通信専用の格安SIMです。
ネットが使えますので、SkypeやLINEなどのメッセージアプリを使うことで通話もできます。
格安SIMのメリットとは?
格安SIMのメリットは以下の3つ。
- 料金は大手キャリアの3分の1程度
- 携帯キャリアのような契約期間の縛りがない
- 乗り換えでも電話番号を引き継げる
ここでは格安SIMならではの魅力についてご紹介します。
料金は大手キャリアの3分の1程度
格安SIMの1つ目のメリットは、料金が非常にリーズナブルなこと。
さまざまなコストをカットすることでユーザーに安い料金でサービスを提供することができます。
例えば格安SIMは、MNOから回線を借りているためアンテナや基地局を立てる必要がありません。
また、基本的に実店舗を持ちませんので人件費や家賃をカットすることができ、結果的に大手キャリアの3分の1程度の値段で格安SIMを提供することができます。
携帯キャリアのような契約期間の縛りがない
格安SIMの2つ目のメリットは、携帯キャリアのような契約期間の縛りがない点です。
例えばキャリアの場合は、2年ごとのタイミングで解約しなければ解約金がかかり、契約期間が縛られてしまいます。
一方、格安SIMでは一般的に「2年契約」などの契約の縛りがありません。
また、万が一契約の縛りがあった場合でも、一定期間利用すれば解約金がかからなくなることがほとんど。
解約のタイミングがキャリアよりも自由に選べるのは、格安SIMならではのメリットです。
乗り換えでも電話番号を引き継げる
格安SIMの3つ目のメリットは、キャリアから乗り換えても電話番号を引き継げる点。
電話番号を引き継ぐことのできるサービスはMNP(モバイルナンバーポータビリティ)と呼ばれています。
- キャリア同士で契約会社を変えた
- キャリアから格安SIMに乗り換えた
以上の場合に電話番号を変えずにそのまま利用が可能です。
多くの格安SIMではキャリア解約日の即日から格安SIMで電話番号が引き継げる「即日MNP」というサービスを行なっています。
キャリアからの移行の場合もMNPが利用できるのは格安SIMへのハードルを下げていると言えるでしょう。
格安SIMのデメリットとは?
格安SIMには以下のようなデメリットもあります。
- 通信速度が不安定
- 通話方法によっては品質が悪い
- キャリア独自機能やLINEのID検索が使えない
ここでは利用の前に知っておきたい格安SIMのデメリットをみていきましょう。
通信速度が不安定
格安SIMは大手携帯会社に比べて通信速度が不安定な場合があります。
格安SIMは大手携帯会社から回線の一部を借りているため、間接的な利用となり通信状態が不安定になりやすいからです。
例えばお昼の時間帯や夜8時〜12時など、多くの人がネットを使う時間帯には通信速度が遅くなることも。
回線の仕組み上、回線の安定性がMNO(大手携帯会社)に劣るというのは、格安SIMのデメリットだと言えます。
通話方法によっては品質が悪い
格安SIMは通話方法によっては通話品質が悪くなることも。
格安SIMの通話方法は
- 電話回線
- プレフィックス
- ネット回線
の3つがあります。
プレフィックスとは特別な回線を利用することで電話の通話料金を安く済ませることができる通話方法のことです。
電話回線を使った場合は通話品質には問題ありませんが、プレフィックスやネット回線を使った場合は品質が落ちることがあります。
格安SIMでは、電話回線を使う場合は追加料金がかかることがほとんど。
「高い通話品質で長時間通話をしたい」という方は、格安SIMを契約しても結果的に料金が高くなってしまいます。
キャリア独自機能やLINEのID検索が使えない
格安SIMではキャリアメールなどのキャリア独自機能や、LINEのID検索機能が使えません。
キャリアメールはGmailなどで代用ができます。
一方、LINEのID検索は年齢認証が必要なため格安SIMで利用することができないのです。
そのためLINEで相手の情報を検索するにはQRコードを利用したり「ふるふる」を利用する必要があります。
失敗しない格安SIMの選び方とは?
格安SIMを選ぶ際は下記の3つのポイントに注意しましょう。
- 料金プランで選ぶ
- 通信速度で選ぶ
- サービス内容で選ぶ
ここでは失敗しない「格安SIMの選び方」について解説します。
料金プランで選ぶ
格安SIMは料金プランで選びましょう。
目的(データ中心か、通話も重視したいのか)や使い勝手(対応機種やプラン内容)を見極めることで、無駄のないプランを選ぶことができるからです。
例えばあまり通話をする予定のない方が音声通話SIMのプランを選んでも無駄になってしまいます。
また、データ通信をたっぷり使いたい方が月1GBのプランを選んでも、すぐに速度制限がかかってしまいますよね。
料金やプランについては、下記「おすすめの格安SIM5選を比較!」でも紹介していますので、気になる方はリンクから飛んでください。
通信速度で選ぶ
格安SIMは通信速度で選びましょう。
格安SIMの中には通信が安定しており、速度が出やすいものもあるからです。
例えば、ソフトバンク回線を使っているFUJI WifiやY!mobileは格安SIMでありながら速度が出やすいと評判。
混雑する時間帯でも10Mbps以上を出すことができる安定性があります。
「格安SIMだから」と諦めずに、しっかりリサーチをして速度の出る格安SIMを選びましょう。
サービス内容で選ぶ
格安SIMはサービス内容で選びましょう。
格安SIMには特定のアプリで使用したデータ量をカウントしない「カウントフリー」や定額通話サービスなど、会社によってサービスが異なります。
また、毎月契約のデータ量を使い切る自信のない方は、楽天モバイルやUQモバイルでは、データ量の繰越サービスも行なっています。
料金と合わせてその他のサービス内容も比較すると、よりお得な格安SIMを選ぶことができるでしょう。
おすすめの格安SIM5選を比較!
ここではおすすめの格安SIM
- FUJI Wifi
- Y!mobile
- UQモバイル
- U-mobile
- 楽天モバイル
の特徴を比べてみましょう。
格安SIM | 料金目安 | 使用回線 | 特徴 |
FUJI Wifi | 3,980円/200GB 2,480円/20GB | ソフトバンク | データ専用SIMカード |
Y!mobile | 4,680円/14GB 2,680円/3GB | ソフトバンク (一部自社回線を所有) | 実店舗(1053店舗/2018年)あり |
UQモバイル | 3,980円/14GB 1980円/3GB | au | 100MB/200円で追加も可能 |
U-mobile | 2,380円/25GB 1,580円/3GB | docomo、ソフトバンク、IIJ、日本通信など (プランによって異なる) | マルチMVNEを実現(*) |
楽天モバイル | 6,980円/24GB 2,980円/2GB | au/docomo (プランによって異なる) | アプリを使えば10分以下の電話がかけ放題 |
*マルチMVNE さまざまなMVNE(仮想移動体サービス提供者)と契約しプランによって使い分けるサービス それでは、それぞれの詳細をみていきましょう。
FUJI Wifi
FUJI WifiのSIMプランは20GB〜200GBまで4種類あります。
100GB、200GBなどの超大容量を扱うプランでも月額4,000円以下と非常にコスパが良いのが特徴。
一般的に他社では20GBで4000円程度ですので、いかにFUJI Wifiが格安の料金で提供をしているのか分かるでしょう。
ソフトバンクの回線を使用しており、キャリア並みの実行速度が出るというのも魅力の1つです。
FUJI WifiではSIMレンタルの他にもモバイルルーターレンタルも行なっています。
こちらも業界最安級で海外でも使えますので、コスパを重視したい方はぜひFUJI Wifiのホームページをご覧ください。
Y!mobile
Y!mobileの格安SIMプランはS/M/Lの3種類です。
Y!mobileはソフトバンク回線に加え一部自社回線も所有していますので、通信が安定しているのが特徴。
また、格安SIMのプロバイダは実店舗を持たない会社も多いですが、Y!mobileの場合は全国に1000店舗以上の実店舗を構えています。
料金は14GBで3,980円とやや割高ですが、回線の安定性にこだわりたい方は利用を検討してみても良いでしょう。
UQモバイル
UQモバイルの格安SIMプランはデータ定額型S/M/Lの3種類。
格安SIMとモバイルルーターをセットで契約する「ウルトラギガMAX」も提供しています。
UQモバイルはauの回線を使用しており、キャリアと比べても遜色ない速度が出ると評判。
ただし割引などを利用しないと14GBで3,980円と料金が割高なのが気なるところです。
U-mobile
U-mobileの格安SIMプランは大きく分けて
- U-mobile MAX
- U-mobile
- U-mobile LTE使い放題
- U-mobile S
の4種類です。
それぞれのプランでも、データ量によって月額料金が異なります。
U-mobileの特徴は「マルチMVNE」という複数のMVOやMVNEと契約し、さまざまな通信を利用できるところ。
プランが豊富なので使い方に合わせて選ぶことができます。
楽天モバイル
楽天モバイルの格安SIMプランは、プランS〜プランLLまでの4種類です。
全てのプランに「楽天でんわ」と呼ばれる自社アプリを使った無料通話サービスがついています。
また、楽天会員になると
- プランS 2,980円→1,480円
- プランLL 6,980円→5,480円
など大きな割引が受けられるのも特徴です。
格安SIMとは?が分かったら!その他の疑問と答え
ここでは格安SIMに関する疑問と注意点についてみていきましょう。
キャリアから格安SIMに乗り換える時の注意点は?
キャリアから格安SIMに乗り換える時は、SIMカードのサイズに注意しましょう。
SIMカードには 標準SIM micro SIM nano SIM の3種類があり、それぞれ大きさと対応機種が異なります。
持っている端末、もしくは購入予定の端末が契約予定の格安SIMに対応しているのかきちんと確認しましょう。
格安SIMでおサイフケータイは使えますか?
Felicaチップという非接触ICカード技術の搭載されている機種であれば利用できます。
iPhoneはシリーズ7以降であれば利用可能です。
格安SIMでおサイフケータイを利用する際は、Felica搭載機種かどうか確認するようにしましょう。
格安SIMの通話品質は悪いですか?
電話回線を使用する場合、大手携帯会社の通話と同じくらい高品質です。
ただし電話アプリを使ったり、プレフィックスという方法を使う場合、通話品質は通信環境に左右されます。
iPhoneでも格安SIMは利用できますか?
利用できます。
格安SIMの多くがiPhoneに対応しており、iPhone端末と格安SIMをセットで購入できる場合もあります。
格安SIMで119や110などの緊急電話は使えますか?
格安SIMの音声SIMプランでは、ほとんどの場合使えます。
緊急電話に対応していない場合は「緊急通報ナビ」のような、緊急電話をかけられるアプリをインストールしておきましょう。
格安SIMとはSIMカードを使って格安でネットが利用できるサービス
最後に本記事の内容を簡単にまとめておきましょう。
- 格安SIM=SIMカードを利用したネットサービス
- MVNO=格安SIM取扱店
- MNO=大手携帯会社
- MVNE=格安SIMと大手携帯会社を仲介する
- 格安SIMにはメリットトデメリットあり
- 格安SIMは「料金」「通信速度」「サービス内容」で選ぶ
格安SIMは回線を大手携帯会社から借りることでコストをカットし、リーズナブルな価格で利用者に提供します。
各会社ごとに価格も異なりサービス内容も多種多様。
格安SIMを選ぶ際は、予算や目的だけでなく通信速度やオプションまでしっかり確認するようにしましょう。
今回は格安SIMとは?という内容で解説しました。