通信速度の速さやスマホのデータ通信量の節約など、メリットがたくさんあるWiFi。
自宅にもWiFiを導入し、ネット通信を楽しんでいる方はとても多いですよね。
しかし、「実際にWiFiの距離はどれくらい届くの?」「もっとWiFiの通信範囲を広げたい!」と疑問やお悩みがある方も多いはずです。
そこで今回は、WiFiが届く距離と、通信範囲を広げる方法について紹介します。
WiFiの距離についての知識をつけて、今までよりもっと快適にネットを使いましょう!
目次
1.Wi-Fiの距離と電波出力は比例しない
WiFiの距離は電波出力が強いモデルでも確実に繋がるわけではありません。
電波出力が強いハイパワーモデルのWiFiであっても、障害物などによって電波が遮られてしまい接続できないことも多くあります。
このため各メーカーは、製品パッケージなどにおいて具体的な接続可能距離を明記しておらず保証していないんですね。
ハイパワーモデルであっても、適切な設置位置や障害物の有無に気を付けなければ、WiFiの届く距離が極端に短くなることもあります。
1-1.Wi-Fiと電波法との関係
WiFiは電波法により、出力が制限されているため高い電波出力のモデルを制作できません。
一般的に電波出力を高めると障害物があっても遠くまで届かせることが可能です。
しかし、電波は交通機関からテレビやラジオ、GPSや消防・警察などあらゆる場面で使用されており、円滑に通信するため法律により厳格なルールが定められています。
その1つが電波出力に関してです。
日本の電波法は、無線LANルーターやトランシーバーなど「免許を必要としない無線局」の出力上限を定めています。
2010年に改正電波法が公布され、この出力上限は従来の10mWから1000mWへと引き上げられましたが、この上限は無線LANルーターには適応されていません。
このため各メーカーでは10mWの上限ギリギリまで出力を上げた製品を提供しており、メーカーごとにWiFiの距離が大きく変わることはないんですね。
では、なぜ距離に違いが出てくるのでしょうか。
距離の違いにはWiFiに使われている電波の種類が大きく関わってきます。
種類についてもチェックしておきましょう。
1-2.Wi-Fiの距離は電波の種類で大きく変わる
WiFiの距離は使用する電波によって大きく異なります。
WiFiに使われている主な電波の種類には2.4GHzと5GHzがあり、それぞれ電波の飛び方に特徴があるからです。
2.4GHzは遠くまで電波が届き、障害物があっても接続しやすい特徴があります。
一方、5GHzの電波は新しい規格のため通信速度が速く、干渉する機器も少ないため安定した通信が可能です。
例えば、建物内で2.4GHzと5GHzそれぞれのWiFiに接続した場合、2.4GHzのほうが5GHzより遠いところでも接続できるでしょう。
このように、WiFiの距離を考えるなら、使用する電波の種類にも気を付けなければならないのです。
WiFiの電波の種類について詳しく知りたい人は、以下の記事を確認してください。
1-3.WiFiの距離はアンテナ数や各技術でも変わってくる
WiFiの距離は、各メーカーによって工夫されたアンテナや新技術によって伸ばせます。
ルーターは、アンテナが内蔵されているタイプと、外付けタイプの2種類に分けられ、より遠くまで電波を飛ばせるのは外付けタイプです。
アンテナ外付けタイプにすると特定方向へも電波を届けられ、電波が弱まるのを防げます。
この他にも、最近はWiFiの距離を伸ばす技術として「BeamForming」が備えられているハイエンドルーターも見かけるようになりました。
「BeamForming」は、ルーターが自動的にパソコンやスマートフォンなどの端末の場所を特定し、その場所へ集中的に電波を送信する技術です。
集中的に電波を送ることで、遠くでも接続しやすい環境にすることが可能なんですね。
WiFiの距離を考えたときには、どのようなアンテナや技術で工夫されているのかも見逃さないようにしてみてください。
WiFiの距離に関する知識はある程度わかったけど、実際どの程度の距離まで対応できるのか気になるところだと思います。
次の項目でさっそくチェックしてみましょう。
2.Wi-Fiの距離は半径50m〜100m程度が目安
WiFiが届く距離は、一般的にルーターから直線距離で50m~100m程度が目安です。
住宅での通信範囲は、戸建てであれば2階建て、マンションであれば3LDKが平均的な距離となります。
また、ルーターの性能によっても、WiFiが届く距離は大きく変わるでしょう。
もちろん高い性能を持つルーターであれば、WiFiが届く距離は長くなります。
ただし、同じ性能のルーターを使っていても、WiFiが届く距離に大きな差が出ることがあるので注意が必要です。
この大きな差をもたらすのが、WiFiの電波を遮る障害物の有無になります。
2-1.Wi-Fiの距離の決め手は障害物があるかどうか
WiFiが届く距離に大きく影響を与えるのが、電波を遮る障害物があるかどうかです。
WiFiの電波は、家の壁や背の高い家具などによって遮られ、弱くなるという特性があります。
また、鉄筋コンクリート製の住宅は電波を遮りやすく、木造住宅よりもWiFiが届く距離は短くなるでしょう。
半径50m~100mが目安のWiFiが、障害物が一切ない屋外では300m先まで届くこともあるほど差が出ることがあります。
このように障害物があるかどうかが、WiFiが届く距離の決め手となるものです。
そのため、ルーターの製品紹介に記載されている距離は、実際に使用した場合と大きく誤差が出ることも。
記載されている距離は、あくまで目安として考えてください。
2-2.Wi-Fiの距離が届いているかは扇マークを見る
WiFiの距離を広げる前に、まずはお持ちのルーターがどれくらい距離があるのかを確認しましょう。
WiFiの距離が届いているか確認する一番簡単な方法は、スマホやPCに表示される扇マークを見ることです。
3~4本の線で構成されている扇マークは、表示される扇の本数が多いほど電波が強く、少ないほど電波が弱いことを示しています。
部屋を歩きながら、扇マークを見て電波の強さを確認してみましょう。
扇マークの線が1本になった場所が、電波が弱く、WiFiが届く距離の限界です。
以上、WiFiの距離について紹介しました。
「WiFiが届く距離についてはわかったけれど、もっと距離を広げるにはどうしたらいいの?」とお悩みの方も多いはずです。
そこで、ここからはWiFiの距離を伸ばし、通信範囲を広げる方法を紹介します。
2.Wi-Fiとの距離が近いのに繋がらない原因は?
WiFiとの距離が近いのに繋がらない場合は、以下の3つが原因として考えられます。
- 障害物の多さ
- 電子機器による電波干渉
- ルーターや端末の故障
WiFiが繋がらないときはこれらが原因となっている場合が非常に多いです。
それでは原因を詳しく見ていきましょう。
原因1.障害物の多さ
ルーター付近に障害物が多い場合、非常に繋がり辛くなります。
主な障害物は、鉄筋コンクリート・大理石・土壁・水・金属・背の高い家具など身近にあるものです。
意外な障害物として、大量に購入していたアルミパウチのレトルト食品や水槽の水が挙げられます。
これらのものがルーター付近にあると、WiFiの電波を弱めてしまったり、電波を反射してしまいかねません。
そのため、まずはルーター付近にこれらの障害物がないかを確認してください。
原因2.電子機器による電波干渉
電子機器が周辺にあると、電波干渉を起こし繋がりにくくなってしまいます。
電波干渉を引き起こす電子機器は、電子レンジやコードレスの電話、IHクッキングヒーター、Bluetooth機器などです。
特に電子レンジは強い電波を使う家電のため、WiFiの電波に強力な干渉を起こします。
WiFiと電子レンジについて詳しく知りたい人は、以下の記事を確認してください。
また、コードレスの電話とルーターを近くに置いている方もいると思いますが、これが電波干渉を起こしていることも少なくありません。
原因3.ルーターや端末の故障
障害物や干渉物からルーターを離しても繋がりにくい場合には、ルーターか端末が故障している場合です。
複数の端末で試してもWiFiが繋がりづらい場合は、ルーターの故障が考えられます。
また、他の端末はWiFiに繋がるのに接続できない端末がある場合には、端末の故障を疑うべきです。
ルーター・端末それぞれが故障した場合には、メーカーへ修理に出すか買い替え等を検討しましょう。
3.Wi-Fiの距離を伸ばすためには
WiFiの距離を広げる方法を試しても電波が弱いという方は以下6つの方法が効果的です。
- 無線LANルーター自体を変える
- 無線LANルーターを置く場所を変える
- 周波数を変える
- 中継機を置く
- ホットスポット機能を使う
- 屋外専用機器を使う
今のWiFi環境をより良いものに変えるためにも、できることから試してみてください。
部屋数の多い住宅や多階層の住宅、また鉄筋コンクリートの住宅では、どうしてもWiFiが届きづらい場所ができてしまいます。
ルーターの置き場所を変えたり、障害物を減らしたりして工夫してみるのが快適な環境を作るコツです。
WiFiの距離を伸ばす方法について詳しく知りたい人は、以下の記事を確認してください。
まとめ
WiFiの距離は、直線距離で50m〜100m程度届くとされています。
しかし、これは障害物がない場合を想定した距離で、様々な障害物の存在によりWiFiの距離は短くなってしまいます。
WiFiの距離が短いと感じるなら、ルーターに注目したり中継機を導入したりしてみてください。
ちょっとした工夫により今までより快適にネットを楽しめるようになりますので、ぜひ試してみてください!