WiFiのステルス機能について知っていますか?
WiFiのSSIDステルス機能は、WiFiの不正利用を防ぐ便利な機能です。
スマートフォンや家庭用ネットワークの爆発的な普及により、WiFiの不正利用をはじめとしたサイバー犯罪が身近なものとなっています。
しかし、多くの機器がワンタッチでWiFiに接続できるようになった影響で、初期設定のままセキュリティリスクを意識することなく、なんとなく使用しているという人も珍しくありません。
今の時代はこれまで以上にネットワークセキュリティに敏感になり、自分の身を守る必要があります。
そこでステルス機能が役立つんです。
このページでは、SSIDステルス機能を設定することで、どのようなメリットが得られるのか、実際に使用するための設定や接続方法についても併せて紹介していきます。
身を守るための手段として覚えていきましょう。
目次
1.Wi-FiのSSIDステルス機能とは?
WiFiのSSIDステルス機能とは、知らない人に自分のWiFiアクセスポイントの存在を隠す機能です。
通常、WiFiアクセスポイントである無線親機(ルーター)は常に電波を発しています。
無線子機(スマホなどのデバイス)が電波の範囲内に入ると、自分のSSIDを自動的に通知して表示するんです。
SSIDとは無線親機の名前のようなものです。
その為、電波の範囲内であれば知らない人でも無線親機の存在を知る事ができ、悪意を持った攻撃を受けるリスクがあります。
SSIDステルス機能を使用するとSSIDの自動通知が行われなくなるため、WiFiアクセスポイントの存在を隠しセキュリティを高めることができるのです。
こちらの機能については理解していただけたかと思いますが、もう1つ似たような設定があります。
それがANY接続拒否と呼ばれる設定です。
間違えないためにも、違いについて知っておきましょう。
1−1.SSIDステルス機能とANY接続拒否の違いとは?
ANY接続拒否とは無線親機の設定の一種で、自動的に電波状況の良い回線を探してアクセスしてきた端末を拒否する設定のことです。
一方、SSIDステルス機能は自身のSSIDを隠すことによって全体からアクセス自体を抑える設定のことなんですね。
違いをわかりやすく表にまとめてみました。
機能名 | SSIDの表示 | 拒否の範囲 |
ANY接続拒否 | する | ANY接続してきた端末 |
SSIDステルス機能 | しない | SSIDを知っている人以外の全ての端末 |
最近では、ANY接続拒否を設定すると自動でSSIDステルス機能も設定される無線親機も多く、混同されやすいです。
しかし、両者はSSIDの表示と拒否の範囲が違います。
ANY接続拒否では、SSIDが表示されたままですが、接続してきた端末を拒否します。
一方、SSIDステルス機能はSSIDを表示しないので、SSIDを知っている人以外は接続できません。
設定の違いで効果も変わるので目的の効果が得られる方を選ぶべきでしょう。
また、自分の無線親機が対応しているかどうかは取扱説明書などで確認してみてくださいね。
2.SSIDステルス機能のメリット
ここまでANY接続拒否とSSIDステルス機能の違いと概要を解説してきました。
次は、SSIDステルス機能のメリットについて見ていきましょう。
SSIDステルス機能のメリットは、不正アクセスを軽減し、情報漏えいを抑制することができる点です。
悪意を持った第三者による不正アクセスの被害に遭ってしまった場合、以下のような個人情報が抜き取られてしまう可能性があります。
- クレジットカードの番号
- プライベートなメール
- 動画、画像など
また、自分のWiFiを使って犯罪行為を行われた場合、警察に事情聴取を受けるなど大きなトラブルに巻き込まれる場合もあり、大変危険です。
それほどまでの悪意を持っていない不正アクセスであったとしても、不正利用者が大容量のデータ通信を受けることになります。
知らないうちにプロパイダから速度制限を受けてしまうなど、大小さまざまな不利益を被る可能性があるでしょう。
この様な自体に巻き込まれることを防ぐためにも、SSIDステルス機能を使用して、不特定多数の人にSSIDを教えないことが大切です。
3.SSIDステルス機能のデメリット
それでは、SSIDステルス機能を使うことによるデメリットは存在するのでしょうか?
SSIDステルス機能そのものによる直接的なデメリットはありませんが注意しておきたい点が2つあります。
- セキュリティは完全ではない
- 一部のデバイスでは接続できない
それぞれ解説しますね。
デメリット1.セキュリティは完全ではない
SSIDステルス機能は全ての不正アクセスから身を守れるものではありません。
防げるのは、無線親機から無線子機へのSSIDの自動通知だけです。
悪意を持って意図的に無線親機を探そうとした場合、SSIDを特定されてしまうケースは少なからず出てきてしまいます。
そのような場合には、SSIDステルス機能のみでは不正アクセスを防ぐことはできません。
SSIDステルス機能を使用しているからセキュリティが万全だと過信し、他のセキュリティ対策を怠ってしまうと危険です。
別のセキュリティと併用するようにしましょう。
その他のセキュリティについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
デメリット2.一部のデバイスでは接続できない
デバイス設定によってはSSIDステルス機能を使用しているWiFiに接続できない場合があります。
この様なケースでは、SSIDステルス機能を無効にした状態から、一度デバイスと無線親機を接続し、接続設定を作ったあとにSSIDステルス機能を有効にしてみましょう。
他にもかんたん接続などの機能を使用せず手動でSSIDとパスワードを入力する、といった対策で改善できることも多いです。
特に、Androidのデバイスで多く見られる現象なので注意してみてください。
4.SSIDステルス機能を設定する2STEP
それでは、実際にSSIDステルス機能を使用するにはどのような設定を行えばよいのでしょうか。
ご利用のデバイスやルーターによって設定は異なりますが、ここでは代表的な設定方法をご紹介します。
STEP1.専用のブラウザを開く
まずは、ルーターの設定画面を開く必要があります。
ブラウザに直接ルーターのIPアドレスを打ち込むか、ルーターの初期設定時に付属していた設定ツールを起動しましょう。
ルーターによって、IPアドレスや設定ツールは異なります。
例えば、フレッツ光のホームゲートウェイであれば「192.168.1.1」、バッファローであれば「192.168.11.1」あるいはAirStation設定ツールを起動するなどですね。
設定画面を開こうとすると、ユーザー名とパスワードを求められます。
ユーザー名は「root」「user」「admin」、パスワードは「空白」か「password」などが初期設定となっている場合が多いです。
機種によって違いがあるので注意してください。
これらの初期設定は、使用されているルーターの公式サイトや付属の説明書から確認する事ができます。
STEP2.暗号化設定を変更する
ルーターの設定画面を開けた後は、暗号化設定に関する項目を探します。
メーカーにより名称が異なりますが、「WiFi無線設定」「無線LAN設定」といった項目に含まれていることが多いです。
暗号化設定の項目を見つけることができましたら、「SSIDステルス機能」「SSIDの隠蔽」といった名前の項目にチェックを入れ機能を有効にします。
ただし、お使いのルーターがバッファロー製の場合、Any接続のチェックを外す(Any接続を無効にする)だけでSSIDステルス機能が有効になるのでご注意ください。
これでルーター側の設定は無事完了です。
ルーターの再起動を求められた場合には、表示された説明に従って再起動を行ってください。
5.SSIDステルスのWi-Fiを接続する方法
続けて、デバイスをSSIDステルス機能の有効なWiFiに接続する方法をご紹介します。
ご利用のデバイスやOSによって設定方法は異なりますが、おおまかな流れは一緒です。
- iPhoneの場合
- Androidの場合
- パソコンの場合
上記3つに分けて例をご紹介します。
5−1.iPhoneの場合
iPhoneの場合はWiFiの設定がオンになっていることを確認してからはじめます。
- 「設定」を開く
- 「Wi-Fi」を開き、オンになっていることを確認する
- 「その他」を開く
- ネットワークの正確な名前(SSID)を入力する
- 「セキュリティ」を開く
- セキュリティの種類を選ぶ
- 「パスワード」を入力する
- 接続できたら完了
無事にネットワークに接続されると、そのネットワークの横に青いチェックマークが表示されます。
ディスプレイの左上隅またはiPhone X以降の場合は右上隅にWi-Fiマークが表示されているか確認しましょう。
5−2.Androidの場合
次はAndroidの手順を見ていきましょう。
- 「Wi-Fi」設定の画面を開く
- 「ネットワークの追加」を開く
- ネットワーク名に正確なSSIDを入力する
- 画面下部の「詳細設定」を開く
- 非公開ネットワークの項目を「はい」にする
- セキュリティを開く
- セキュリティの種類を選択する
- パスワードを入力する
- 接続できたら完了
無事に設定が完了した場合、画面上部にWiFi接続のマークが表示されます。
5−3.パソコンの場合
最後にパソコンでの場合を見ていきましょう。
- PCの無線LAN機能をオンにした状態で「スタートメニュー」を開く
- 「コントロールパネル」を開く
- 「ネットワークと共有センター」を開く
- 「新しい接続またはネットワークのセットアップ」を開く
- 「ネットワーク名」に正しいSSIDを入力する
- 「ネットワークがブロードキャストを行っていない場合でも接続する」の項目にチェックを入れる
- セキュリティの種類を選択する
- パスワードを入力する
- 接続できたら完了
スタートメニューやコントロールパネルなどはパソコンのOSによって異なります。
基本的にはネットワークの設定から接続できるので試してみてくださいね。
まとめ
このページでは、WiFiのSSIDステルス機能のメリットとデメリット、実際の設定方法と接続方法についてご紹介しました。
こちらの機能を利用することで手軽に不正アクセスから身を守ることができます。
しかし、SSIDステルス機能のみで全ての不正アクセスから身を守れるというわけではありません。
セキュリティソフトを導入するなど他にも多種多様な方法と組み合わせることが安全な接続を確立するための基本です。
複数のセキュリティを駆使して、自分のパソコンを守る参考にしてみてください。