SIMフリーという単語は聞いたことがあるけれど、何のことなのかはよくわからないという方は多いですよね。
何となく料金が安いことは知っているけれど、信頼できるかわからず結局いつものWiFiをそのまま利用しているということも少なくありません。
この記事では、SIMフリーのWiFiとはどのようなものなのか、メリットとデメリットを含めて解説します。
SIMフリーの種類と実際の差し替え方法などもわかりやすく説明しますよ。
この記事を通して、SIMフリーの知識をつけて快適なインターネット環境を整える参考にしてみてください。
目次
1.SIMフリーのWiFiとは?
まず、SIMフリーのWiFiとはそもそもどのようなものなのでしょうか?
ここでは定義や種類、具体例について、簡単にご紹介します。
1−1.SIMロックの解除されたWiFiのこと
SIMフリーのWiFiとは、SIMロックが解除されて制限のかかっていない端末を使ったWiFiのことです。
では、SIMフリーとはどのようなものでしょうか。
通常、スマホやモバイルWi-Fiなどには、キャリア側(docomo、au、Softbankなど)のサービスを受けるためにSIMカードと呼ばれるものが用意されています。
SIMカードには契約者のIDや電話番号、メールアドレスなどが管理されているので、その情報からサービスを受けられるんですね。
通常、このSIMカードは固定されたキャリア(docomo、au、Softbankなど)だけで使えるようにロックされています。
この状態がSIMロックと呼ばれるものです。
例えば、auならauだけのSIMカードしか使えず、SoftbankならSoftbankのSIMカードしか使えません。
もちろんdocomoで購入したSIMロック端末に、docomo以外のSIMカードを挿入しても利用できないんです。
ですが、固定されたSIMロックはキャリア側で解除してもらうことができます。
auで固定されたSIMのロックを解除すれば、docomoやSoftbank、別の会社が提供している格安SIMなどが使えるんです。
このように、SIMロックを解除した状態の端末のことをSIMフリーの端末と呼びます。
つまり、SIMフリーのWiFiとは、SIMフリーの端末でキャリアに左右されずWiFiを利用することというわけです。
格安SIMとは
格安SIMとは、簡単に説明すると「とにかく安く使えるSIMカード」のことです。
なぜなら、基地局と呼ばれる電波を飛ばす機器などを大手キャリアから借りているからなんですね。
ではなぜ安くなるのでしょうか。
通常、各キャリアが自社の基地局を使いサービスを提供しています。
この基地局の管理費や維持費は、毎月の支払いに上乗せされているんです。
ですが、格安SIMは各キャリアの基地局の一部を借りて、サービスを提供しています。
自社で基地局を管理する必要がないので、管理費や維持費などはかかりません。
その結果、上乗せされている料金の分だけ安く提供できます。
これが格安SIMです。
格安SIMについては以下の記事をご覧ください。
1−2.SIMカードの種類
契約者のIDや電話番号、メールアドレスなどが管理されているSIMカードには種類があります。
なぜなら、端末のサイズなどによって差し込まれているSIMカードのサイズが変わるからです。
SIMカードは下記のように大きく分けて3つに分類できます。
- 標準SIM
- microSIM
- nanoSIM
わかりやすくサイズと特徴を表にまとめてみました。
名称 | サイズ (幅×高さ×厚み) |
特徴 |
標準SIM | 25mm×15mm×0.76mm | 最初期のスマホやガラケーに多かった |
microSIM | 15mm×12mm×0.76mm | 2014年ごろまでのスマホによく使われていた |
nanoSIM | 12.3mm×8.8mm×0.67mm | 近年発売のスマホではnanoSIMが主流 |
まず、標準SIMは最も古い規格で、サイズも幅25mm×高さ15mm×厚み0.76mmと3種類の中で一番大きいです。
近年発売している機種では、ほとんど採用されていません。
microSIMは標準SIMとnanoSIMの中間の大きさで、幅15mm×高さ12mm×厚み0.76mmです。
2014年ごろまでの機種によく採用されていました。
最近でも、特に低価格層の端末をメインに採用されています。
近年、主流として採用されているのがnanoSIMです。
幅12.3mm×高さ8.8mm×厚み0.67mmと3種類の中で最もコンパクトなサイズを誇ります。
SIMカードの分類は、比較するとサイズが明確に異なりますので、誰でも簡単に行うことができます。
1−3.クラウドSIMについて
最近では、クラウドSIMと呼ばれる技術に注目が集まっています。
クラウドSIMとは、ご紹介した3種類のような物理的なSIMカードを挿入するのでなく、クラウド(インターネット)上でSIMデータをやりとりします。
自分でSIMカードを抜き差しする必要がなく、自動で最適な回線へと切り替わる仕組みです。
クラウドSIMが特に有効に働くのが、海外を訪れた時です。
自分で適切なSIMカードを選択しておかなければ、海外通信として高額な利用料を請求されてしまいます。
クラウドSIMの場合、事前に必要な回線契約を結んでおけば、それだけで自動で回線が切り替わりますので、安心です。
また、物理的なSIMカードを紛失してしまう恐れもありません。
ここまでSIMフリーのWiFiとSIMカードの種類について説明してきました。
次は、SIMフリーのWiFiを選ぶメリットについて知っていきましょう。
2.SIMフリーのWiFiを選ぶ4つのメリット
SIMフリーのWiFiを選ぶことで、以下4つのメリットが得られます。
- 通信料金が格安
- 違約金なしで解約できる場合が多い
- プランの選択肢が豊富
- 持っている端末をそのまま使える
それぞれ詳しく解説していきますね。
メリット1.通信料金が格安
最も大きなメリットが、通信料金を格安にできることです。
SIMフリーのWiFiの場合、自分で好きなSIMカードを準備することができます。
例えば、格安SIMを利用すれば、月々の料金を約数千円安くすることが可能です。
各キャリアを比較して安いプランを見つけられたなら、乗り換えで通信料金を抑えることもできます。
このように、SIMカードのロックがないことで、自由に契約先を選べることで通信料金を抑えられるのです。
メリット2.違約金なしで解約できる場合が多い
SIMフリーのWiFiは、大手キャリアにみられる2年縛りのような年数縛りが少なく、違約金無しで解約できることが多いです。
大手キャリアの場合、契約期間の途中に解約しようとすると、1万円近い違約金を請求されることが多々あります。
これほど高額な違約金を請求されるのであれば、なかなか気軽に試すことはできません。
一方で、SIMフリーのWiFiの中には、1ヶ月単位で気軽に試せるプロバイダ(回線提供元)もたくさん存在するのです。
例えを1つ挙げると、弊社が運営しているFUJI Wifiは契約期間の縛りや解約金のないSIMカードのみのプランを取り扱っています。
そのため、1ヶ月単位などの短期の契約でも安心してお試しいただけるんですね。
WiFiは、電波を利用する性質上、実際に使ってみるまでわからない部分が多くあります。
優れた機器であっても、利用環境と相性が悪ければ、残念ながらうまく機能しません。
そのため、気軽にお試しできるというのはSIMフリーのWiFi特有の大きなメリットです。
メリット3.プランの選択肢が豊富
SIMフリーのWiFiを利用するのであれば、特定のキャリアに制限を受けることなくプランを選択することができます。
そのため、自分自身の利用形態にぴったりなプランを探し出すことが可能です。WiFiの利用シチュエーションは人によって多種多様です。
例えば、週末だけは動画鑑賞など大量のデータ通信を行うが平日は全く使わない、日中はデータ通信を行うが夜間は全く使用しない、など様々な利用形態が考えられます。
1つのキャリアのプラン内から、自分にぴったりのプランを見つけることは至難の業です。
ある程度妥協して、選択することになってしまいます。
最適なプランを選択することができれば、快適に利用できるでしょう。
メリット4.持っている端末をそのまま使える
これからSIMフリーのWiFiを利用する場合、持っている端末をそのまま利用可能です。
SIMフリーのWiFiルーターに対して、現在持っている端末をWiFi接続する形となりますので、持っている端末がSIMフリーかどうかは問われません。
また、プロパイダの中には、SIMのみのプランを提供しているプロバイダも存在します。
もし、現在使っていないSIMフリーのWiFiルーターが手元にあれば、このようなプロパイダをうまく利用すると、劇的に費用を抑えることが可能です。
特に格安SIMと組み合わせることができれば、非常に安価にネット環境を構築できます。
利用可能な端末が手元にある方には、特におすすめです。
3.SIMフリーのWiFiを選ぶ3つのデメリット
SIMフリーのWiFiにはたくさんのメリットが存在します。
特に、費用面での効果ははかりしれません。
一方で、SIMフリーのWiFi特有のデメリットも存在するんですね。
- 通信速度が遅い
- キャッシュバックが少ない
- ルーターを自分で用意する必要がある
上記3に分けて解説していくので参考にしてみてください。
デメリット1.通信速度が遅いことがある
SIMフリーのWiFiを利用した場合、キャリアの回線を利用する時と比較して、通信速度が遅いことがあります。
これは、SIMフリーのWiFiで主に利用する格安SIMのプロバイダが、自前の回線を準備するのではなく、大手のキャリアを間借りしていることが理由です。
大手キャリアから間借りしていることで設備が整っていないので、利用者の増減に大きく影響されます。
例えば、利用者の増える時間帯、学生や社会人の昼休みである12時ごろや、仕事が終わった後の夜は速度が遅くなりがちです。
なお、回線速度は、SIMカードのプロバイダによって大きく左右されます。
プロバイダによっては、あまり時間帯を問わず安定した通信を提供しているところもあります。
速度を気にする場合には、事前にしっかりと口コミなどをチェックしましょう。
デメリット2.キャッシュバックが少ない
SIMフリーのWiFiを利用する場合にはあまりキャッシュバックの恩恵を得られないケースが主流です。
大手キャリアであれば、大規模なキャッシュバックを行っていることも多いです。
なかには、一時金として数万円返ってくるものもあります。
ですが、SIMフリーのWiFiだとキャッシュバック自体が、大手キャリアと比較して少なく、また現金ではなくポイントやデータ利用料で還元する形がよくみられます。
とはいえ、月々の利用料が格段に安いため、瞬間的には大手キャリアより損をするように見えても、数ヶ月から半年程度で逆転することも珍しくありません。
将来的な支出まで考慮して、計算してみることが大切です。
ですが、キャッシュバックが目的の人にはあまりおすすめできないでしょう。
デメリット3.ルーターを自分で用意する必要がある
SIMフリーのWiFiを利用するために、SIMカードのみのプランを選ぶ時には端末を持っていることが大前提です。
大手キャリアを利用するケースでは、一般的にSIMカードと同時に端末も購入しますよね。
そのため、どのルーターが良いのか、どの機能が必要なのかと悩む必要がありません。
ですが、SIMカードのみのプランではSIMフリー端末が手元にあることが大前提です。
ルーターは、Amazonのような通販で簡単に購入することができます。
また、以前使っていた端末のロックが解除されていればそのまま使えるでしょう。
どうしても端末の準備が難しければレンタルすることも可能です。
例えば、弊社が運営するFUJI Wifiでは、SIMのみのプランだけではなくモバイルWi-Fiのレンタルサービスも行っています。
料金も月額2,480円からと格安で、1日あたりの通信制限のないタイプも備えていますよ。
4.WiFi端末のSIMカード差し替え方法
それでは、実際にWiFi端末のSIMカードを差し替える方法をご紹介します。具体的な差し替え方法は端末によって異なりますので、ここでは主な流れを記載します。
- 送付されてきたSIMカードを開封し、確認する
- ルーターのSIMカード挿入口を開ける
- SIMカードの金属面に触れないように注意して、カードを入れ挿入口を閉じる
背面や側面にSIMカードを挿入する場所があります。
機種によっては、電池パックを取り外さなければSIMカードを挿入できないケースもあるので注意してみてください。
電池パックを取り外す時には、念のため事前に端末の電源をオフにしましょう。
ご利用のルーターによって詳細は異なりますが、流れとしてはこのように簡単な方法で差し替えることが可能です。
5.WiFi端末のSIMカードを差し替えする時の注意点
WiFi端末のSIMカードの差し替えは簡単に行えますが、注意しておくべきポイントも存在します。
ここでは大きく以下2つに分けてご紹介します。
- SIMカードを差し換える前に確認する
- SIMカードの枚数を確認する
それぞれ見ていきましょう。
注意点1.SIMカードを差し替える前に確認する
まず、SIMカードを差し替える前に確認しておくべきポイントが3つあります。
実際の作業に移る前に、下記の点についてご注意下さい。
SIMフリーのルーターなのか
これから使用しようとしているルーターが、SIMフリーであるか確認する必要があります。
中古で購入した端末の場合、いわゆる白ロムと呼ばれる端末であれば大抵がSIMフリーとなっているため問題ありません。
ですが、中にはSIMフリーでない端末もありますので、確認は怠らないようにしてください。
SIMカードの対応のルーターなのか
ルーターの中には、SIMカードに対応していないものも存在します。
特に家庭用ルーターは、SIMカードに対応していないケースが多いです。
また、クラウドSIMに対応したルーターはSIMカードの入れ替えができません。
しっかりとSIMカードに対応したルーターを選択しましょう。
SIMカードのサイズ規格が合っているのか
SIMカードには、標準SIM、microSIM、nanoSIMと3種類のサイズ規格があります。
これから利用しようとしているルーターと、SIMカードのサイズ規格が合っているか確認しましょう。
SIMカードの規格は、サイズを測ることで簡単に知ることができます。
また、取扱説明書などにも記載されているので確認しましょう。
SIMカードの契約は、サイズに合わせて選ぶようにしてみてください。
注意点2.SIMカードの枚数を確認する
ルーターの中には、複数のSIMカードが入るものも存在します。
複数のSIMカードを挿すことで、SIMカードの抜き差しを行わずとも、回線を切り替えることができます。
例えば、通信制限にかかった場合に切り替えたり、プライベート用とビジネス用で最初から用途を分けておいたりと、工夫次第で便利に利用できます。
また、こちらの都合ではなくても、1つの回線で通信障害が起こってしまった時に、他の回線に切り替えることができるメリットもあるんですね。
ですが、大抵のSIMにカードプランは1枚だけのレンタルです。
複数枚入るもので回線を切り替えたい場合には、相応の枚数の契約が必要となるので注意してみてください。
まとめ
このページでは、
- SIMフリーのWiFiとは何なのか
- SIMフリーのWiFiを使うメリットとデメリット
- 具体的なSIMカードの差し替え方
- SIMカードのサイズ規格
についてご紹介しました。
SIMフリーのWiFiを使えば、自分の好きなSIMを利用することができます。
多くのプロバイダの中から、自分にあったプランのSIMを利用することで、快適に安価でWiFiを利用可能です。
特に、格安SIMの場合には節約効果が大きいため、通信料金を減らしたい方におすすめですよ。