仮想の専用線を使ってWiFi通信の内容を暗号化するVPN接続は、情報漏えいを防ぐための便利な通信手段です。
データを盗み見されたり改ざんされたりする危険性を防ぐVPN接続はWiMAXでも行うことができるのでしょうか。
ここでは、WIMAXでVPN接続はできるのか、その手順や通信速度などについて解説していきます。
目次
1.WiMAXでVPN接続は可能!
「WiMAXでVPN接続ができるの?」と不安に思うかもしれませんが、結論からいうとWiMAXでもVPN接続は可能です。
接続環境によってはストレスなくスムーズにインターネットを利用することができます。
WiMAXでVPN接続をしたい方は、今のうちに対応しているVPNの種類やVPN接続をしたときの通信速度を知っておきましょう。
1-1.WiMAXが対応しているVPNの種類
VPNにはいくつかの種類がありますが、WiMAXでは低コストで利用できる点が魅力の「インターネットVPN」に対応しています。
インターネットVPNの特徴は、仮想のプライベートネットワークを構築して既存の公衆回線を利用していることです。
WiMAXが対応しているVPNの種類をさらに細かくみていくと、設定が簡単な「PPTP」や、高い安全性を確保できる「L2TP」、暗号化にSSL技術を使用した「SSL-VPN」など、様々なVPNプロトコルに対応しています。
WiMAXにはVPNの通信に制限がないので、利用する方式を選びません。
WindowsやAndroidなど、利用するOSがサポートしているVPN接続を選ぶことができます。
1-2.WiMAXでVPN接続をしたときの通信速度
VPN接続をしたときは、セキュリティが高いというメリットがある一方で、通常の通信速度よりもデータの送受信が遅くなってしまうというデメリットがあります。
また、VPN接続のときの通信速度は計測方法の違いや接続先のサーバーによっても変わるため一概に通信速度を表すことができません。
ただし、インターネットの利用環境によりますが、現在のWiMAXは光回線に劣らないほどの通信速度をだすモデルも登場しています。
そのため、VPN接続をしたことで通信速度が遅くなったとしても、劇的に遅くなる可能性は低く、問題なくインターネットを利用することができるでしょう。
2.WiMAXでVPN接続をしている人の口コミ
WiMAXでのVPN接続は光回線よりも不安要素が多くありますが、実際にWiMAXを利用してVPN接続をする方は多くいます。
WiMAXを利用してVPN接続をしている人の口コミをチェックしてみましょう。
WiMAXはVPNもちゃんと使えるから、たとえば外からWiMAX経由で自宅のMacに「どこでもMy Mac」でアクセスするのもOK。というわけでVPNを使えないemobileのLTEではなくWiMAXにしました。
— 塩澤一洋, Kaz Shiozawa (@shiology) May 24, 2012
ルータのIPSecパススルー機能がオンになってなかったんだね。>WiMAX経由のVPN接続。ウェブ上で設定が変更できるみたいだったので,設定終了。見事に接続完了!ちなみに機器はAterm3300R。
— OZAWA (@ozapro18) March 19, 2012
このように、SNSでもWiMAXのVPN接続をしている方を多く見かけます。
WiMAXでのVPN接続の評判は悪くないといえるでしょう。
3.WiMAXでVPN接続をする手順
WiMAXでのVPN接続は、光回線でのVPN接続と手順は変わりません。
WiMAXのモバイルルータの設定を変える必要もなく、基本的にはパソコンやスマホなどの利用端末での設定になります。
Windowsであれば、コントロールパネルから「ネットワークのセットアップ」を選択し、VPNの接続を選ぶことができます。
iPhoneであれば、設定アプリから「一般」の項目をタップし、「VPN構成を追加」でVPNの接続情報の入力が可能です。
あらかじめVPNの接続情報を調べておきましょう。
WiMAXでのVPN接続は、利用する端末やOSによって手順や操作方法が変わるので、自分が利用する機器のVPN接続方法を調べておくことが大切です。
WiFiのVPNについてもっと詳しく知りたい人は、「WiFiはVPNで安全にするべき!街中や海外で心置きなく使おう!」をご覧ください。
4.WiMAXでVPN接続が繋がらないときの対処法
WiMAXでVPN接続をするときに特別な設定をする必要がありません。
そのため、VPN接続が繋がらないときにはWiMAXの設定よりも、利用している端末機器やOSの設定が原因である場合が多くあります。
例えばIPアドレスやDNSサーバーの情報が無視されていたり、OS標準ではないネットワーク制御ツールなどがインストールされていたりなどの原因が挙げられます。
ここでは、VPN接続ができないときの代表的な原因と解決策を紹介します。
IPアドレスが重なっている場合
VPN接続したいネットワークのIPアドレスと外出先のIPアドレスが重なっている場合に接続トラブルが起こることがあります。
このときはVPNサーバ側のIPアドレスを被らないように変更するという解決策が挙げられます。
OSが最新でない場合
利用している端末のOSが最新でない場合も、うまくVPN接続ができないケースがあります。
その場合はアップデートすることでVPN接続ができることがあります。
まずは利用しているOSのバージョンが最新であるかどうかを確認しましょう。
サーバーに負荷がかかっている場合
VPNの接続を中継しているサーバーに負荷がかかっている場合は、ネットワークに上手く繋がらなくなります。
そのときは他の接続先のVPNに接続するという解決策があります。
また、VPNサーバーを再起動するのも有効です。
どちらかの方法を試してみましょう。
このように、VPN接続ができないときの原因は様々なので、疑問点を1つずつ解決していくことが大切です。
全く原因が分からない場合は、WiMAXのカスタマーサポートに問い合わせるのも良いでしょう。
WiMAXのカスタマーサポートへの問い合わせ先は公式サイトや説明書から確認することができます。
まとめ
WiMAXは光回線と違い通信の安定性や通信速度で劣る部分があるので、VPN接続ができるか不安になりますが、WiMAXの通信環境がよければVPN接続でも問題なくインターネットを利用することができます。
また、WiMAXは「インターネットVPN」に対応しており、利用できるVPNプロトコルの幅も広いので安心です。
VPN接続では一般的なインターネット利用よりもネットワークの知識が必要になるので、WiMAXを契約したときにもスムーズにインターネット環境が利用できるように、あらかじめVPN接続についての知識を身に着けておくことが重要になります。
正しい知識を身につけて、快適にVPN接続でのインターネット環境を楽しみましょう。