WiMAXのハイパワーとはどのようなものか、どんな効果があるのか気になってお調べかと思います。
また環境の面で接続に不安がある場合は、こちらに対応している機種を選ぶかどうかについても悩む部分でしょう。
WiMAXハイパワーは一部の機種に搭載されている機能で、通信を強化する機能です。
しかし、その効果についてどの程度あるのか分かりにくい点も多くあります。
そこで今回はハイパワーが実際にどの程度の効果を発揮するのか、どういった機能があるのかについて詳しく解説していきます。
どのような機能なのかを正しく知って、選ぶ時の参考にしてみてください。
目次
1.WiMAXハイパワーとは
WiMAXが提供している一部機の種で利用することができるハイパワーの機能とは、基地局と端末との通信を強化する機能のことです。
こちらは基地局から受信する電波が弱いという場合に、送受信のパワーを強化して通信速度を20%程度改善することができる技術となっています。
これによって電波の発信力が強化されるため、繋がりにくいエリアであっても通信ができることがあるという点が魅力的です。
ルーターのタッチパネルから簡単にON/OFFの操作切り替えが可能で、通信速度を向上させる代わりにバッテリーの消耗が早くなるという点には注意が必要となります。
こちらの機能は旧WiMAXで一度搭載されていたことがありましたが、一度撤廃されて再び対応モデルが発表されました。
ただし実際の利用者からはあまり実効速度が向上しなかった、バッテリーが熱くなって結果的に速度が遅くなるし寿命が早くなるといった声が上がり、不評となっています。
1−1.WiMAXハイパワー対応の機種一覧
WiMAXハイパワーに対応している機種で、代表的なモデルについて紹介していきます。
『Speed WiFi NEXT WX05』
2018年11月に登場したモバイルタイプのルーターで、WXシリーズの中では最新のモデルです。
下り最大速度が440Mbpsとなっており、ハイスピードプラスエリアモードにも対応している端末となっています。
『WiMAX HOME 01』
2018年12月に登場したホームタイプのルーターで、広範囲に電波を送ることができる点が魅力的なモデルです。
下り最大440Mbpsで、最大で22台の同時接続が可能となっています。
現在ではこちらの2機種が、ハイパワー機能を利用可能な中で主流となっているモデルです。
2.WiMAXハイパワーはあまり実用性のない機能
結論としては、WiMAXハイパワーについてはあまり実用性のない機能であると言えます。
ハイパワー起動時に実効した際の速度が、通常で利用している場合の速度とあまり変化がなく、バッテリーの消耗に関しても急速に早まるためです。
またバッテリーが熱を持つため膨張を起こす可能性もあり、持ち運びの際にも高熱が肌やバッグに影響を与えることがあります。
- アンテナ技術が向上しているから
- WiMAXハイスピードモードの方が効果が高いから
上記2つに分けて詳しく解説していきます。
理由1.アンテナ技術が向上しているから
最新機種では高性能ハイモードアンテナが搭載されており、WiMAXハイパワーと比較しても飛躍的な受信感度を実現しています。
またビームフォーミング搭載のモデルでは電波の拡散能力が高くなっており、ハイパワー搭載の機種よりも電波感度が良いと言われている点が特徴的です。
そのためわざわざハイパワーを搭載しているモデルを選ぶよりも、元々アンテナ技術自体が向上している最新のモデルを選択した方が使い勝手も良いことが挙げられます。
またハイパワーを搭載しているからといって最大通信速度が上がるわけではないため、元々スペックが高い機種を選ぶ方が通信の品質面においても無難です。
具体的には「WX05」よりも「W06」の方がスペックが高く、「HOME 01」よりも「HOME L02」の方がスペックが高くなっています。
ハイパワーを利用することでバッテリー面にもデメリットが生じるため、可能であればスペック自体が高い機種を選択した方がより安定した受信環境を得ることができるでしょう。
理由2.WiMAXハイスピードモードの方が効果が高いから
ハイパワーでは基地局と端末の電波強化を行うことができますが、ハイスピードモードでは接続できるエリアを増やすことができます。
そのためハイパワーを利用するよりも、ハイスピードモードの方が効果が高いことが多いです。
またハイスピードモードには3種類の通信方式があります。
- 「ハイスピードモード」 WiMAX2+回線エリアを利用した通信モード
- 「ハイスピードエリアモード」 WiMAX方式およびWiMAX 2+方式を利用したモード
- 「ハイスピードプラスエリアモード」 WiMAX 2+方式とau 4G LTEを利用したモード
こちらの通信方式を変えるモードを利用することで対応エリアが広くなるため、接続のしやすさや通信速度が大幅に改善されることがあります。
ただし「ハイスピードプラスエリアモード」は、LTEの回線を利用するため契約によっては別途料金が必要になる点と速度制限に注意が必要です。
またこちらもバッテリーの消耗は通常の場合と比較して早くなるため、その点はハイパワーと同様となっています。
3.WiMAXハイパワーを使わなくてもできる電波改善方法
ハイパワー搭載機種において、インターネットに繋がりにくい場合や通信速度が遅い場合にハイパワーを使わなくても電波環境を改善できることがあります。
どういった方法があるかについて、以下4つに分けてそれぞれ詳しく解説していきます。
- 設置場所を変えてみる
- 端末の再起動を試す
- 通信障害を確認する
- それでも繋がらないときには
さっそく設置場所からチェックしていきましょう。
方法1.設置場所を変えてみる
ルーターを設置している場所が障害物に囲まれている場合や、端末からの距離が遠い場合には設置場所を変えることによって受信感度が改善されることがあります。
基地局からの電波を受信しやすい位置は外に近い窓際が効果的で、なるべく建物が周囲にない方角である方が有効です。
また地面に置くよりもやや高い位置に設置した方が、電波を送信する際にも広がりやすくなっています。
窓のない部屋に置く場合に関しては、隅に置くよりも中心付近に設置した方がより電波が広がりやすいことも特徴的です。
また基本的にルーターの周りには障害となるものを置かない、棚の中やカバーをすることは極力避けるといったことで障害物の干渉を減らすことができます。
WiFiルーターの設置場所について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
方法2.端末の再起動を試す
ルーターと接続している端末それぞれで、再起動を行うことによって通信に関するトラブルを改善できることがあります。
こちらは長時間起動させている場合に特に起こりやすい症状で、ログが溜まることによって通信に関するシステムがトラブルを起こす可能性があるためです。
ルーターの再起動の場合は、本体から電源プラグを抜いたあと数秒後に再接続を行うことで内部に蓄積されたログがリフレッシュされます。
スマホの場合は、電源ボタンを長押しして一度シャットダウンして、数秒後に再起動させることで一時的なメモリエラーであれば復旧するでしょう。
通信速度やアンテナの面でトラブルが発生している場合でも簡単に改善することが可能なため、特に長時間再起動していない状態であれば効果的です。
WiFiの再起動について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみましょう。
方法3.通信障害を確認する
ルーターの電波を提供している基地局が通信障害を起こしている場合は、自身の環境とは無関係にWiFiが繋がらなくなります。
こちらはルーターの基地局によって電波の種類が違うため、LTEでは接続できてWiMAXでは接続できないといった場合にはこちらの可能性を疑ってみましょう。
サポートのホームページから通信障害の情報を確認することが可能で、現在利用している地域に近い基地局の情報に関して掲載がないかをチェックします。
もしこちらで通信障害の情報が確認された場合は、復旧されるまで待つことになるため注意が必要です。
重大な災害が発生した場合の通信障害には長期間利用できないことがありますが、それ以外であれば概ね当日中には復旧することが多くなっています。
WiMAXの通信障害について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
【番外編】それでも繋がらないときには
上記の方法で多くは解決できますが、それでも接続が上手くいかないという場合にはその他の可能性についても考えられます。
もし直近でデータ容量を多く使っていたという際には、速度制限が課せられていて接続が上手くできなくなっている可能性があるため容量を確認してみましょう。
また電波干渉が発生している場合にも通信速度や繋がりやすさに影響を与えるため、こういった際には周波数を変えるといった対策が効果的です。
改めて見直しても改善されない場合は、機器自体が故障していることも考えられます。
落下や水没、断線等で外見には分からない損傷を受けていることもあるため、一度サポートへ問い合わせて修理見積もりを依頼してみましょう。
WiMAXが繋がらなくて困っている方は、以下の記事をチェックしてみてください。
まとめ
今回はWiMAXのハイパワーに関して、どういった機能で利用するメリットがあるかどうかを中心に解説していきました。
ハイパワーに関してはあまり実用性のない機能となっているため、これから導入を考えている場合はあまり期待しない方が無難でしょう。
また最新機種であればアンテナ技術自体の向上により通常時でも広い範囲で利用できるため、こちらについても参考にしてみてくださいね。