パソコンやスマホを使っていて何としても避けたいのが「ウイルス感染」ではないでしょうか?
端末が故障したり、個人情報が流出したりと大きなリスクを伴うウイルスですが、実はWiFiを利用してインターネットに接続する場合でもウイルスに感染することがあります。
今回は、WiFiでウイルスに感染するとどうなるのか、WiFiでウイルスに感染する原因などを徹底的に解説しています。
ウイルスが原因で多大な被害を受けないためにも、今回の記事を参考に万全の備えをしてくださいね。
目次
1.Wi-Fiでもウイルスに感染する恐れがある
結論から言うと、WiFiを利用してインターネットに接続する場合でもウイルスに感染することがあります。
よくある誤解として、
「有線LANならウイルスに感染するけれど、WiFiはルーターを通るのでウイルスは除去される」
「パソコンはウイルスに感染するけれど、WiFiを主に使うスマホなら安全」
というものがあります。
しかし、実際にはWiFiでもウイルス感染しているケースはありますし、スマホを攻撃目標としたウイルスも多数報告されているのです。
ウイルスに感染した場合の危険性は後で詳しくご説明しますが「個人情報の流出」や「デバイスの乗っ取り(遠隔操作)」など犯罪に巻き込まれてしまうようなケースもあります。
もう一度繰り返しますが「WiFiでもウイルスに感染する」ということをしっかり覚えておきましょう。
すぐに対処法を知りたい人は【5.WiFiがウイルスに感染した時の対処法】でご紹介しているので確認してみてください。
2.Wi-Fiでウイルスに感染した場合の危険性
さて、WiFiの電波を通じてウイルスに感染するとどのような危険性があるのでしょうか?
ウイルスに感染した場合の危険性には以下の5つです。
- 個人情報の流出
- デバイスの乗っ取り(遠隔操作)
- 詐欺サイトへの誘導
- 金銭被害
- 盗聴・盗撮
パソコンだけでなく、スマホにも関係のあるお話ですので「パソコンは使わない」という方も読んでみてくださいね。
2−1.個人情報の流出
端末がウイルスに感染した時に一番心配なのが「個人情報の流出」です。
パソコン、スマホはユーザーの個人情報の宝庫とも言えます。
これらの端末がウイルスに感染すると、個人情報が外部に流出して知られたくないことを知られる危険性があります。
また、住所や勤務先の情報が流出してしまうと、悪意のある人物に居場所を知られてしまうなど犯罪行為に利用される恐れもあります。
2−2.デバイスの乗っ取り(遠隔操作)
ウイルスに感染してデバイスを乗っ取られてしまうと、自分のアカウントを他人に見られてしまったり、遠隔操作で勝手に書き込みなどをされてしまう危険性があります。
数多くあるSNSのいずれも該当するため、SNS全般を利用している人は注意が必要と言えるでしょう。
また、SNS上の友人に勝手に接触されるなど、自分以外に被害が及んでしまう可能性もあるのです。
2−3.詐欺サイトへの誘導
ブラウザを使ってインターネットを見ていたら、突然別のサイトに飛ばされてしまった…。
このように、詐欺サイトへ誘導されるのもWiFiでウイルスに感染した時に考えられる危険性の一つです。
契約する気がないサービスに勝手に登録され、多額の金銭を要求されるなどの事例があります。
悪質なサイトへ移動した時にウイルスが端末に入り込むことがあるので注意してください。
2−4.金銭被害
ウイルス感染によってクレジットカードのデータが流出してしまうと、高額商品を購入されるなど金銭被害が発生することがあります。
「クレジットカードを落とした」というケースではなくなったことに気づきやすく、事前に利用を止めることも容易です。
しかし、スマホなどに登録していたデータの流出の場合は発覚も遅れ、実際に請求が来て被害に気づくこともあります。
このような金銭面での被害もウイルス感染によって引き起こされるのです。
2−5.盗聴・盗撮
最近増えてきているのが、ウイルスがスマホのカメラや電話アプリにアクセスすることで盗聴・盗撮の被害が起きるケースです。
スマホは部屋の真ん中に置かれることもよくあるので、家中の会話や物音を聞かれてしまうケースも。
このような、遠隔操作による盗聴・盗撮もWiFiからのウイルス感染で起こることを知っておきましょう。
3.ウイルスに感染しているかの確認方法
さて、ここまで読んだ皆さんも「自分のパソコンやスマホがウイルスに感染していないか」心配になったのではないでしょうか?
ここでは、ウイルスに感染しているかを確認する方法を以下3つに分けてご紹介していきます。
- ウイルスバスターなどのセキュリティソフトを使う
- SNSのログインを試す
- 挙動を思い返してみる
ぜひ一度感染の有無を確かめておきましょう。
方法1.ウイルスバスターなどのセキュリティソフトを使う
ウイルス感染の有無を確認する代表的な方法が、セキュリティソフトを使うというものです。
パソコンのユーザーであれば誰でも一度は聞いたことのある「ウイルスバスター」を例に使い方をご紹介したいと思います。
『ウイルスバスターの使い方』
- ソフト・アプリをインストール
- タスクトレイのウイルスバスターアイコンやバージョン情報からバージョンを最新のものに「アップデート」
- 「スキャン」をクリックし、ウイルス感染の有無を確認
- (ウイルスが見つかった場合)隔離されたファイルを削除
この他のソフト・アプリも基本的にはこの流れです。
ウイルスバスターには他にも「迷惑メール対策」や「有害サイト対策」など、ウイルス感染の原因への対策を個別に行えるというのも特徴といえるでしょう。
「ウイルスバスター」は有料ですので、まずは無料のウイルススキャンを使ってみたいという方は上記のサービスを試してみてはいかがでしょうか。
方法2.SNSのログインを試す
SNSで自分のアカウントにログインできるかを試すことでウイルス感染の有無が分かることがあります。
スマホなどでウイルスに感染した場合、乗っ取りによるIDやパスワードの変更があるためです。
もしも、自分のアカウントなのにIDやパスワードを入力してもログインできない場合は、既にウイルスの持ち主によってアカウントを奪われてしまった可能性があります。
このようなケースではSNSの運営に連絡してアカウントを止めてもらうようにしましょう。
方法3.挙動を思い返してみる
「そういえば最近なんだかスマホの調子が悪いな…」というように挙動を思い返してみてウイルスの感染が発覚することも多いです。
例えば、普段ならスマホの電源を付けっぱなしなのに再起動を何度も繰り返していたりしませんか?
ウイルスに感染すると端末の動きが悪くなるので「単に調子が悪いのかな?」と思って再起動をしがちになります。
一度や二度ならともかく、何度も繰り返すとなるとウイルス感染の症状が出ていることを疑うべきでしょう。
他に「頻繁にフリーズしてしまう」「動作が異常に遅い」を加えた3点がウイルスに感染した時の代表的な症状です。
最近の挙動を思い返して、当てはまるものがないかチェックしてみてください。
4.Wi-Fiがウイルスに感染する原因
次に、普段使っているWiFiがウイルスに感染してしまう原因を以下4つに分けて解説します。
- フリーWi-Fiの接続
- ホームページの閲覧
- アプリのインストール
- ルーターの感染
WiFiがウイルスに感染すると、その回線を利用した端末までウイルスに晒されてしまうため二次被害を引き起こす危険性があるので注意しましょう。
原因1.フリーWi-Fiの接続
まず、WiFiがウイルスに感染する原因の一つにフリーWiFiへの接続が挙げられます。
どのような経路で感染するかというと「フリーWiFiに接続したスマホがウイルスに感染」→「そのスマホでWiFiに接続することで感染が広がる」というものです。
最近はフリーWiFiを利用できる環境が増えてきましたが、フリーWiFiはセキュリティ対策の甘いものも多く、ウイルス感染の原因となる場合があります。
フリーWiFiに繋いだスマホがウイルスに感染することで、自宅のWiFiにまでウイルスが広がってしまう可能性があります。
こうなるとウイルスが次々に広がってしまう危険な状態といえるでしょう。
原因2.ホームページの閲覧
ホームページを閲覧することでWiFiがウイルスに感染することもあります。
これも経路としては「ウイルスに感染したホームページをパソコンやスマホで閲覧」→「パソコンやスマホを通じてWiFiがウイルスに感染」というのが一般的です。
ただし、このケースではWiFiを通じてウイルスに感染したホームページを閲覧していますので、直接WiFiのプログラムが書き換えられて詐欺サイトなどに誘導されることもあります。
いずれにせよ、怪しそうなホームページを閲覧することでWiFiがウイルスに感染するリスクがあることを知っておきましょう。
原因3.アプリのインストール
一見すると無害なアプリでも実はスマホやWiFiをウイルスに感染させる有害なアプリというケースがあります。
このようなアプリをインストールしてしまうと、ウイルスに感染したスマホに繋がっているWiFiへのウイルス感染の危険性も。
「App Store」や「GooglePlay」などで配布されているアプリは入念な審査を受けているため、ウイルスに感染しているリスクも少ないです。
しかし、それ以外のサイトで配布されているアプリには危険なウイルスに感染させることを目的としたものも少なくありません。
こういったウイルスに感染しないためにも、アプリは信頼のできるサイトからだけインストールするようにしましょう。
原因4.ルーターの感染
パソコンやスマホだけでなく、ルーターそのものがウイルスに感染することもあります。
ルーターがウイルスに感染してしまうと、WiFiも当然ながらウイルスに感染しているので電波を通じて爆発的にウイルスが広まってしまう危険性があるんです。
ウイルスによってルーターの設定が書き換えられてしまい、繋がっている端末を悪質なサイトに飛ばすといった被害も報告されています。
以上のことからWiFiがウイルスに感染する原因として、ルーターの感染も充分注意が必要でしょう。
5.Wi-Fiがウイルスに感染した時の対処法
次に、WiFiがウイルスに感染した時の対処法を2つ紹介します。
- ウイルスバスターなどで駆除を試す
- 端末・ルーターを初期化する
パソコンやスマホなどのウイルス感染と同じく、WiFiのウイルスも駆除が可能です。
「WiFiがウイルスに感染してる…」と感じたら駆除できるか試してみてくださいね。
対処法1.ウイルスバスターなどで駆除を試す
ウイルス駆除で大活躍する「ウイルスバスター」などのセキュリティソフトですが、WiFiのウイルス感染に対応しているものも多いので駆除を試してみると良いでしょう。
代表的なセキュリティソフトやアプリは以下のものがあります。
パソコン | iPhone | Android |
・ウイルスバスター ・リブセーフ ・ZEROスーパーセキュリティ ・ノートン アンチウイルスプラス ・カスペルスキー |
・Lookout ・ノートン モバイルセキュリティ ・ウイルスバスターモバイル ・カスペルスキー ・マカフィー リブセーフ |
・Android用ESET モバイルセキュリティ ・カスペルスキー インターネットセキュリティ for Android ・ノートン モバイルセキュリティ ・ウイルスバスターモバイル ・マカフィー リブセーフ |
一部のセキュリティソフトではWiFiのウイルス駆除までは対応していないものもありますので、購入の際にパッケージなどを良く読むようにしてください。
また、無料のウイルススキャンは「ウイルスの発見」までは対応していても、駆除できる機能を備えていない可能性があります。
駆除できる機能を備えていない場合は、駆除に対応したセキュリティソフトを一刻も早く導入してウイルス感染の被害を防いでくださいね。
対処法2.端末・ルーターを初期化する
ウイルスバスターなどのセキュリティソフトでウイルスを駆除できなかった時は、端末・ルーターを初期化するのが効果的です。
パソコンやスマホを初期化すると、入っていたデータが全て消えてしまうのでウイルスが引き起こす以上の被害が出てしまう可能性があるため注意が必要です。
一方、ルーターであれば設定が消えるだけで済みますので、ためらわずに初期化しても問題ありません。
また、ルーターにはウイルスバスターなども搭載できませんので、ウイルス感染が発覚したら初期化一択です。
端末・ルーターともに初期化をするときは必ず事前にバックアップをして、万が一消えていけないデータが消えてしまった時に備えておきましょう。
6.Wi-Fiがウイルスに感染しないための対策法
最後に、そもそもWiFiをウイルスに感染させない対策法を3つご紹介したいと思います。
- セキュリティを見直す
- OSを最新バージョンにする
- ログインパスワードを変更する
ウイルスは事前に対策すれば防げるものばかりです。
WiFiがウイルスに感染して「個人情報の流出」や「盗聴・盗撮」などの被害を引き起こさないようきちんと対策してくださいね。
対策1.セキュリティを見直す
パソコンやスマホ、ルーターは設定によってセキュリティのレベルを上げ下げすることができます。
「危険なサイトはブロックする」「許可のないアプリはインストールしない」といった設定にしておくことでウイルス感染のリスクのあるサイトやアプリとの接触を減らすことができるでしょう。
また、ウイルスとの接触を最小限にしてくれる設定がパッケージされたセキュリティソフトの導入も効果的です。
侵入したウイルスを自動で駆除してくれる機能もあるので、セキュリティの見直しとしては十分な効果が期待できます。
WiFiのセキュリティについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
対策2.OSを最新のバージョンにする
パソコン、スマホのOSや接続端末、ルーターのファームウェアのバージョンにはウイルス対策も含まれています。
言い換えれば、これらのバージョンを古いままにしておくとウイルス対策も古い情報のままということです。
そのため、パソコンやスマホ、ルーターのウイルス対策を万全にするためにはOSなども常に最新のものにしておく必要があります。
設定によっては一週間に一回アップデートを確認するようにできますので、定期的にバージョンを見直せるようにしておきましょう。
対策3.ログインパスワードを変更する
SNSなどのログインパスワードが漏れるのはウイルス感染だけとは限りません。
ウイルス感染以外の理由でログインパスワードを破られてしまい、ウイルスに感染させるURLなどを貼るという手口もあります。
「こんなURL投稿したっけ?」と思ってクリックしたところ、ウイルスに感染したというケースもありますのでログインパスワードも定期的に変更するのがおすすめです。
ウイルス感染の可能性がある経路はなるべく潰しておくのがベターです。
まとめ
今回はWiFiでのウイルス感染や、WiFiそのものがウイルスに感染するというトラブルについて徹底解説しました。
ウイルスはパソコン、スマホ、WiFi、ルーターと感染経路を挙げるとキリがありません。
しかし、一度ウイルスの侵入を許してしまうとさまざまな被害が出るだけでなく、より多くの端末にウイルスが広がってしまうことも。
セキュリティソフトやアプリを導入するなど、ウイルス対策を万全にして、ウイルス感染を何としても防ぎましょう。