「WiFiの脆弱性(ぜいじゃくせい)って何?」
「セキュリティに何か関係があるの?」
と疑問に感じてお調べかと思います。
脆弱性を簡単に説明すると、プログラムの不具合や設計上で見つかったセキュリティに関する欠陥のことです。
この記事では、WiFiの脆弱性について初心者にもわかりやすく解説していきます。
セキュリティに関するものなので、WiFiの脆弱性の対策方法も一緒にお伝えしていきますね。
安心、安全にWiFiを利用するためにもぜひ参考にしてみてください。
目次
1.WiFiの脆弱性(ぜいじゃくせい)とは
まずは、記事を読み進める前に知っておきたいWiFiの脆弱性とは何かについて解説していきます。
- 脆弱性ってそもそも何?
- 脆弱性が発見された時には?
以下2つに分けて初心者にもわかりやすく説明しているので、チェックしてみてください。
1−1.脆弱性ってそもそも何?
脆弱性(ぜいじゃくせい)とはプログラムの不具合や設計上のミスで発生した情報セキュリティ上の欠陥のことです。
脆弱とは、もろく弱いという意味を持ち、WiFiではセキュリティなどの安全性に危険があるということなんですね。
WiFiの技術が確立されて以降、ハッキングなどの行為によって情報を抜き取られることやウイルスで攻撃を受けることなどがありました。
これらの中には、プラグラムの不具合や、設計上のミスで発生した情報セキュリティ上の欠陥によるものも含まれているのです。
このような外部からの攻撃に対するセキュリティ上の欠陥のことを、『脆弱性』と呼ぶんですね。
では、脆弱性が発見されたときにはどうしたら良いのでしょうか。
脆弱性が発見された場合についてもチェックしてみましょう。
1−2.脆弱性が発見された時には
脆弱性が発見された場合には、使用中のWiFiが外部からの攻撃を受けやすい状態となっています。
またウイルスに感染する可能性もあるなど、対応せずに放置しておくことは非常に危険な状態となるのです。
そこで、ソフトウェアを開発したメーカーが更新プログラムを提供して対策をしていきます。
いわゆるアップデートですね。
ルーターのファームウェアを更新することによって脆弱性の問題を解消し、セキュリティ対策をします。
ただし、これらの脆弱性に関しては続々と発見されることから、完全に対策することは難しいのが現状です。
そのため、何度もアップデートを繰り返してより良い環境作りへの取り組みが続けられています。
ここまで、WiFiの脆弱性について解説してきました。
WiFiで脆弱性が見つかるのは主にセキュリティに関するものです。
次は、WiFiに使われているセキュリティについても知っておきましょう。
2.WiFiのセキュリティは4種類ある
WiFiに使われているセキュリティには下記の4種類があります。
- WEP
- WPA
- WPA2
- WPA3
それぞれがどのようなセキュリティなのかわかりやすく解説していきますね。
2−1.WEP
WEPは、WiFiが使われるようになった初期の頃より用いられているセキュリティです。
1999年〜2004年の間まで使われていました。
固定化された鍵を使ったセキュリティのため、容易に解読することができるという脆弱性の指摘が多かったことで廃止されました。
暗号化解析ツールまで存在しているなど、極めて攻撃される危険性が高いセキュリティとなっているため現在は基本的に使われていません。
2−2.WPA
WPAは、2002年にWEPの一時的強化目的で使われたセキュリティです。
一定のパケット通信を行うと更新される暗号化技術を用いることによって、WEPと比較した際に大きな安定性を獲得しています。
しかし、解析ツールによってパスワードが破られる恐れがあるなど、脆弱性に関してはまだ多くの問題を抱えていました。
WEPよりも安全性は確保されていますが、その危険性から今ではあまり使われていないセキュリティです。
2−3.WPA2
WPA2は、2004年に発表されたセキュリティです。
従来のWPAをさらに高度な情報暗号化技術を用いて、脆弱性を対策したことで現在でも使われているセキュリティとなっています。
処理には複雑な暗号化対策を行うため、セキュリティを用いる機器側でも十分な性能が必要となりました。
ですが、これまでのセキュリティと比較しても強度が高く、解析することも困難となっていることで安全性は高いと言えます。
現在においてもWiFiのセキュリティとして主流となっているので、目にしたことがある人も多いでしょう。
2−4.WPA3
WPA3は、2018年にさらに高度な技術を用いたセキュリティとして登場した新規格です。
簡単なパスワードにしても悪用される心配がないものとして注目を集めましたが、1年後には安全性への脆弱性が見つかったことから、まだあまり普及していません。
見つかった脆弱性では、接続できる範囲内であれば情報を盗むことができる、といった内容が含まれていました。
新技術であることや脆弱性について発表されていますが、今後の進展によっては主流となるでしょう。
4種類のセキュリティの中ではWPA2が現在でも多く利用されているセキュリティです。
しかし、WPA2を使っているからと安心はできません。
次の項目で詳しく解説しますね。
3.WIFiで主流のWPA2でも脆弱性が発見されている
現在無線通信を守るためのセキュリティの主流ともなっているWPA2においても、脆弱性については発見されているため注意が必要なんです。
- WPA2の脆弱性とは
- WPA2の脆弱性による影響
2つに分けてわかりやすく解説していきますね。
3−1.WPA2の脆弱性とは
現在主流とされているWPA2では、2017年にごろに脆弱性が見つかりました。
アクセスする際のポイントやクライアントに気づかれることなく偽装・盗聴できる危険性が見つかったのです。
簡単に説明すると、ネット上でプライベートな会話を行っているつもりでも、気づかれずに盗聴されている可能性があるということです。
見つかった脆弱性の改善には高度な技術を必要とし、今でも対策が続けられていることから大きな被害にはなっていません。
3−2.WPA2の脆弱性による影響
結論から言うと、脆弱性が発見された今でも、安心して使えるセキュリティです。
長年破られることがなかったセキュリティの高さや、現在でも多くの人が利用しているWPA2の脆弱性が見つかったことは大きな話題となりました。
盗聴の可能性がある、悪用を招く恐れがあるなどの事態となったことで、特にIT業界でも重大な問題として取り上げれています。
ですが、脆弱性への対応が早く、発見されて発表が行われる2ヶ月前より対策を行うためのセキュリティパッチが配布されました。
そのため大きな被害を未然に防ぎ、大きな影響を与えることなく今でも使い続けられています。
また、さらなる脆弱性の発見がある可能性を考えて、WPA2に関する情報は現在も公開されており、随時強化対策が施されています。
ですので、大きな心配はしなくても良いでしょう。
ここまで、WiFiのセキュリティで主流として使われているWPA2の脆弱性について解説しました。
次の項目では、個人でできるWiFiの脆弱性の対策方法を解説していきますね。
安全に利用するためにも参考にしてください。
4.WiFiの脆弱性の対策方法
WiFiの脆弱性の対策方法には以下の4つがあります。
- OSやソフトウェアのアップデートをする
- VPNを利用する
- 有線LANを利用する
- その他のセキュリティを高める
脆弱性の問題を解決するためにも大切なことなので試してみてください。
方法1.OSやソフトウェアのアップデートをする
脆弱性に対するパッチは適宜更新されているためアップデートは頻繁にしておきましょう。
WiFi端末だけでなく使用しているOSやソフトウェアのアップデートについても必要となります。
ファームウェアの更新方法についてその手順を解説します。
『iPhoneの場合』
- 充電を行っている状態でホーム画面の設定を開く
- 設定画面の一般タブからソフトウェア・アップデートを選択
- 自動でアップデートが行われるため、電源を落とさずに待つ
- 端末が自動再起動すればアップデート完了
『Androidの場合』
- ホーム画面から設定を開く
- システムの詳細設定から、アップデートを選択
- 使用している端末の案内に従って操作を行う
『Windowsの場合』
- 設定画面でシステムとセキュリティの項目を選択
- システムの更新から更新プログラムのチェックを行う
- 更新プログラムが発見された場合は、自動でダウンロード開始
- デバイスが最新の状態ですと表示されれば完了
『Macの場合』
- 画面上部のアップルマークからソフトウェアアップデートを選択
- アップデート内容があるかについてチェックを行う
- アップデート項目がある場合には、今すぐインストールを行う
以上がそれぞれの機器でのアップデート方法です。
使っている端末に合わせた方法で、脆弱性のセキュリティパッチを受け取るためにもアップデートを試してみてください。
方法2.VPNを利用する
VPNとは、ネットワーク全体を暗号化して保護する技術のことです。
簡単に言えば、WiFiでの通信を守るシステムのことですね。
セキュリティ強度もかなり高いため、個人情報を入力する際や企業間などで重要なデータのやり取りを行う際には便利ですよ。
VPN接続が可能な端末で設定するだけなので、簡単に導入できるでしょう。
WiFiのVPN接続について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
方法3.有線LANを利用する
セキュリティの高い有線LANを利用するのも対策として効果的です。
なぜなら、有線に変えることで他者が勝手にアクセスをしてセキュリティに影響を及ぼすことがないからです。
無線での接続の場合には、接続さえできてしまえば、悪意を持った人による悪用の危険性があります。
有線で接続しておけば、ケーブルを利用していない人からのアクセスを制限できるので安全性を高められるわけです。
なるべく個人情報を入力する際や、データのやり取りを行う際には、無線ではなく有線LANの接続に切り替えることで不正アクセスのリスクを軽減できますよ。
WiFiの有線接続について知りたい方は、下記の記事をチェックしてみましょう。
方法4.その他のセキュリティを高める
公衆無線LANや、カフェなど多くの人が出来るWiFiに関しては不特定多数が繋ぐことができる状態であるため安全性が低くなっています。
利用の際には個人情報を入力しない、なるべく短時間で利用するなどの自衛手段も有効となるため気をつけておきましょう。
またネット上で情報を送る際にはHTTPではなく、HTTPSを利用することも脆弱性に対する手段として有効的です。
こちらも暗号化をするというシステム内容となっているため、通常の通信を行うよりも複雑な解析が必要となることからセキュリティ強度が向上します。
その他別途セキュリティソフトを導入することや、なるべく頻繁にファームウェアの更新が公開されていないかを確認することでもセキュリティを高めることにつながります。
WiFiのセキュリティを高めたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
まとめ
今回はWiFiを利用する上でのセキュリティの脆弱性について解説していきましたが、いかがだったでしょうか。
脆弱性については発見されても、開発者側からパッチを配布するなど対策が施されています。
そのためOSやファームウェアを更新して、必ず受け取るように心がけてください。
確実に安全な方法というのはありませんので、個人でもセキュリティソフトを使うなど事前にしっかりと対策をしておくと良いですよ。